なのは長編小説(1)

□輝ける風と燃え盛る炎は(その一)
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第一話:それは、激甘なお茶を飲みながら

時空管理局L級巡航監視船八番艦アースラ内、リンディ・ハラオウン私室にて、いつものように、日本茶に角砂糖を四個入れながら、リンディは話し始めた
「なのはさんに、紹介したい人がいます」
高町なのはが、戦技教導官に任命されて三ヶ月ぐらいの、ある日、リンディから、そう言われ、なのはは、鳩が豆鉄砲を食らった様な顔をした
「私に…、ですか?」
「そうです。あなたも教導官として、三ヶ月が経ちます。そこで、あなたに一人、部下を任せようと思います」
さらに、なのはの驚きは大きくなった
リンディが手元の端末を動かすと、ドアが開かれ、少年が二人、入ってきた
一人は、リンディの息子であり、アースラの新艦長、クロノ・ハラオウン、そして、もう一人は
「カイリ・ルーキスウィンド捜査官です。初めまして、高町教導官、会えて光栄であります」
栗色の髪の少年、カイリは自己紹介すると、右手を頭に当てて、敬礼の姿勢になる
なのはも、それに習うと、リンディはクスクスと笑いだした
「とにかく、よろしくお願いね、高町教導官」
リンディから、そう言われて、なのはとカイリは部屋を後にした
「母さん、彼は…」
二人が部屋を出た後、クロノは心配そうに母を見る
「分かっているわ、でも、それで、なのはさんの成長になるのなら…」
仕方がない、と言って、残りの甘い日本茶を飲み干した


その頃、管理局の演習場で
「レイジングハート!ディバインシューター」
『OK、マイマスター、ディバインシューター』
なのはのレイジングハートから、桜色の光の球が複数、生まれ、カイリに向かって飛んで行く
「ジブリール、シールド生成」
『ラジャー』
カイリの持つインテリジェントデバイス、ジブリールから青白い光が生まれ、カイリを円形に囲み、なのはの、ディバインシューターを全て防いだ
「さすが、すごいよカイリ君」
なのはがカイリに称賛を送る
「ありがとうございます。高町教導官」
言い終わると、カイリは杖を三つに折った、いや、それは折ったのではなく、中に鎖が入っていて、繋がっている
それはレイジングハートと同じ杖では無く、三節棍と呼ばれるものだった
「ジブリール、フレイムバスター!」
『ラジャ!フレイムバスター、スタンバイ』
ジブリールの先から、青白い炎が生まれ
「シュート!」
カイリが三節棍を真一文字に薙払うと炎が大きくなり、なのはに襲いかかった!
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