なのは長編小説(1)

□輝ける風と燃え盛る炎は(その六)
1ページ/11ページ

第二十一話:それは、父を救うための、悲しい決意


「ぐぅ…、るるるるる…、あぁぁぁぁぁ!」
もはや、獣としか思えない、雄叫びを上げ、デストロイマーダーの意思が剣を振るう 
それをカイリは
「父さん…」

ガシィーン!

悲しい表情を浮かべ、シャイニングホープで受け止める
「もう、やめようよ、母さんだって、こんな事、望んでないよ」
片手で攻撃を受け止めても、表情は変わらず、その目には涙すら滲んでいる
「ぐぅ…、わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
尚も、体勢を立て直し、剣を振るうが、全て、カイリによって防がれ
また、簡単に避けられてしまう
「もう…、分かったから…、父さんは…、ただ母さんを守りたかっただけだね、だったら、今度は、僕が…」
カイリは、武器を持たない方の手、左手をデストロイマーダーの意思の腹部に当てて、魔力を集中させる
「父さんを救うから…」

ドウッ!

その魔力光は、デストロイマーダーの意思を吹き飛ばす
「シャイニングホープ、分かるよね」
『Yes!I can understanding youre feeling(はい!あなたの気持ち、理解できます)』
「じゃ、やろうか、父さんを助けたいんだ」
『OK my master』
カイリは涙を流しながらも、デストロイマーダーの吹き飛んだ方向へと、飛翔する 
それに、アリーナも
「やるよ、バーニングディターマイン・エタニティ!」
自らの相棒を“eternity(永遠)”と呼び、純白の翼を羽ばたかせ、戦女神となって、愛する者に加勢する

もはや

なのは達の、出る幕ではなかった…
それは戦いでも…、殺し合い…、憎しみ合うための戦いではないから

ただ
「分かり合おうとしているんだ…、カイリと、カイリのお父さんは」
フェイトは、そう言いながらも、カイリとデストロイマーダーの意思を見つめていた 
カイリだからこそ、そしてカイリが愛しているアリーナだからこそ、その戦いに参加する資格がある 
「カイリ君は、もう教える事はないのかな…、でも…」
なのはは、繰り広げられる、次元を越えた戦いを見つめ、カイリとの出会いを思い出す
「友達だよね…、なまえを呼んでくれたから」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ