銀魂小説
□いつの間にか
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俺は走った。
たぶん今までで一番頑張って走った。
けど、今までで一番遅い走りだった。
こんなにあの人への思いが苦しいなんて…。
**いつの間にか**
土方さんと見回りをして、旦那に会っちまって、2人が付き合ってるって聞いて……
その後なんちゃ覚えていない。
ただ気がついたときには走ってた。
これ以上ないくらい苦しさを持って。
きっとこれは
走ったからじゃなくて
もっと別の…
あの人
土方さんへの思いのせいなんだろねぃ。
土方を思い出した瞬間また涙が溢れた。
「はは…」
笑えない
「はは…はははは」
笑えない…
「土方さん…あんたはいつになれば俺を見るんでぃ?」
幼い頃からずっとあんただけ思ってた。
のに、あんたは
近藤さん
姉上
旦那
俺の周りは見るくせに俺を一切みちゃくれねぃ。あんたにとって俺はただの弟分なのかぃ?ずっとあんたの中じゃガキのままなのかぃ?
俺はやだよ…俺を見てよ土方さん。
俺はあんたから離れる。みてほしくて、かまって欲しくて…―――