ポケモンLongNovel

□到着、ヨツノハタウン
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第二章 ヨツノハタウン
(第1話 到着、ヨツノハタウン)



「すげースゲー凄ぇーーっ!!!」

「サトシったらさっきから"凄えー"ってそればっかりね」

「だって凄ぇんだもん!!な、ピカチュウ!!」

「ピカピカ♪」

お日様からお月さまに入れ替わったタイミングでライトアップされた町を見渡しながら、サトシは目を輝かせながら肩に乗ったピカチュウと目を合わせた。
トサキントすくいに射的、わたあめやフランクフルトなど様々な露店がずらりと並んでいる。
どうやら今日はお祭りのようだ。

「全くもう、少しは落ち着きなさいよね!」

「ヒカリ、お前もな?」

「へ??」

「ポッチャマ…苦しそうだぞ?」

「え…きゃーー!!!ポ、ポッチャマ大丈夫!?」

「ポ・・ポッチャ、マ(ガクン)」

タケシに指摘され、ようやく目線を下におろしたヒカリはポッチャマの顔色の悪さに気付いた。
恐らく期待で高まる気持ちを抑える為、ポッチャマの首を締め付けるように抱いていたのだろう。
ヒカリが慌てて腕の力を抜いた途端、ポッチャマは気を失った。

「〜っ!!!タケシ、ポッチャマが…どーしよう!!!」

「多分大丈夫だとは思うけど…とりあえずポケモンセンターに急ごう」

「そ、そうね!!!サトシ、行くわよ!!」

「分かってるって!腕引っ張るなよなー!!」

人混みをかきわけて三人が露店の並びを抜けると、一件のポケモンセンターが目に入った。
それを見た途端、サトシ達を置いて走り出したヒカリはあっという間に辿り着き、エントランスを駆け抜けてポッチャマをモンスターボールに戻し、「お願いします!」と早口で告げてカウンターの前に立ったジョーイさんに預けた。

「ふふっ、そんなに慌てなくても大丈夫、気を失ってるだけみたいだし…ゆっくり休めば元気になりますよ!」

ジョーイさんににっこり笑顔を向けられ、ヒカリがほっとした所でサトシ達が追いついてきた。

「二人とも遅い!!!」

「ヒカリが早いんだよ!!!」

「きょ…、今日は、走って、ばかり、だな…」

ヒカリと口喧嘩を始めたサトシとは対照的に、ゼーゼーと息を切らすタケシだったが、「大丈夫?」とジョーイさんに声をかけられるとあら不思議とばかりに元気になっていった。

「あなたに会うためなら自分はどんな苦難も乗り越えます!!!例え3キロでも4キロでも…いや、何百キロでも走ってみせますよーーww!!」

いつものごとく散々ジョーイさんを口説いた後、いきなり登場したグレッグルによりその場は見事に収まった。

「あ、ジョーイさん!!私達今日この町に着いたんですけど、お部屋ってまだ空いてますか?」

「ー…ええ、空いてるには空いてるんだけれど…
お祭りの間は一般のトレーナーの方の宿泊は開放していないの」

「一般のトレーナー?…それってどういう意味ですか?」

「あなた達、ここにはたまたま立ち寄ったの?それともポケモンコンテストへの参加?」

「!!!!あ、はい!!私、招待状を受け取ってここに来たんです!!参加します!」

「招待状、確認させてもらってもいいかしら?」

「??はい、えっと…コレです」

ヒカリはリュックに閉まっていた招待状を取り出し、ジョーイさんに差し出した。
それを受け取ったジョーイは、「ちょっと待ってね?」と一声かけてから傍にあったパソコンを起動し、カタカタとキーボードを打ち始めた。

「えーっと…IDは…」

*************
【ヨツノハタウンポケモンセンター】
ID:003687
フタバタウン ヒカリ

検索中▼

*************

該当者あり。
ポケモン図鑑をスロットして下さい▼

*************

「図鑑をここにスロットしてくれる?」

「へ??えっと…はい」

訳が分からないまま言われた通りにポケモン図鑑を取り出したヒカリがガシャコン、と音を立てて図鑑を機械に通すと、カウンター上の大きな画面にヒカリの顔写真が映った。

「へ!?え!?何ですかコレ!!!」

「ふふっ、これで登録完了よ。はい、招待状お返ししますね?
それと…はい、コレ。お部屋の鍵です。三人だったわよね?」

「??え、あの…もしかしてこれって…」

「そう、ポケモンコンテストの登録よ?
コンテスト参加者とそのお連れの方にはお部屋が確保されているの、だから一般の方はお祭りの間…つまり、コンテストの期間中は宿泊出来ないの」

「えっ、じゃあここに泊まっている人達はみんなコーディネーターなんですか!?」

「ふふっ、そうよ。みんながみんなじゃないけどね」

「そうなんだ…」

ヒカリは、宿泊室のある上階を見上げた。
中々大きなポケモンセンターで、部屋の数もかなり多そうだ。

(この人数を相手にするのね…!!!)

ギュッと握った拳に力が入った。

「ヒカリ、緊張してるのか?」

「まさか!!!こんなに大勢のコーディネーターと競えるんだもの、凄く楽しみ!!」

茶化すように聞いてきたサトシに、ヒカリは笑顔で答えた。
サトシもその返答を分かり切っていたように、「だよなー!」と言って嬉しそうに笑った。

その後タケシもいつの間にか復活し、夕食を終えて部屋に戻った後も三人はコンテストの話題でしばらく盛り上がっていた。


「あ、そういえばさっきジョーイさんに聞いたんだけど、ここの時計塔から町を見下ろすととっても綺麗なんですって!!コンテストまであと三日あるし、明日コンテスト会場に行った後寄ってみない!?」

「おっ!!いいじゃん!!オレも行ってみたいぜ!!あ、夜は祭り見て回ろうぜ!!!」

「ジョーイさんが言ってたなら間違いないだろうなwwよし、じゃあ明日はコンテスト会場と時計塔に行って…あとは祭りだ!!」

「く〜っ!!楽しみだぜ!!」
「私もww早く明日にならないかなぁ〜!!」

「そうと決まったらさっさと寝よう!!ほら、電気消すぞ?」

「「はーい!」」

急いで二段ベッドに入ったサトシとヒカリを確認して、おやすみーと声をかけてからタケシは明かりを消した。

(ママ…私、頑張るからね…!!!)

暗くなった室内で、枕元に置いた母からもらったリボンに誓いを立ててヒカリは目を閉じた。




TO BE CONTINUED...




あとがき...
第二章が始まりました。
長編なのに一話一話短文で本当にスミマセン(汗)
でもこの第二章でようやく物語の基盤が立ってきます。
プロローグで言っていたコーディネーター誘拐事件はどうして起こっているのか、ヒカリ達がどうやって犯人と接触していくのか…。
自分の妄想話でみなさんに少しでもWAKUWAKUもしくはDOKIDOKIしてもらえたら嬉しいです(笑)




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