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□危ない!イチゴな放課後★
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ガランとした夕刻。
学校の廊下をぺたぺたとくたびれたサンダルの音が響く。
「いけねーー。教室に名簿忘れた。」
そろそろ帰ろうかという矢先だったが、ホームルーム後に生徒に囲まれて雑談したまま、放置してきたようだ。
「あーーあん時かぁ。」
ポリポリと頭をかき、今歩いて来た廊下をUターンした。
『源泉先生は好きな人とかいないんですかぁ?』『先生なんで再婚しないのぉ?』
…全く、最近の若いコは…。
と、先ほどの会話がまた脳裏に浮かんだ。

クラスの前まできた。
シンとした教室。
「さすがにみんな帰ったか。」ガラッと扉を引くと、すぐ目の前の席に、立ち尽くす生徒が一人。
ちょうど体操着を袖から外す恰好だった。
「あ、アキラっ?」
声が裏返ってしまった。
いつも大人しく、クラスでもさほど目立たない、どちらかというとクールが面立ちの生徒だ。
そのアキラが、源泉を凝視し、目を点にさせて驚いていた。
白い肌に、ピタリと吸い付くように身につけられたブラジャー。
赤いポツポツとしたイチゴがまた似合う、というか非常に可憐に映った。
「い、イチゴか…。お前、けっこうかわいらしい趣味なんだな。」
「!」
源泉の顔面に部活道具がヒットした。
「で、出てけ!変態!」
「す、すまん!」
慌てて教室を出た源泉だった。
鼻を押さえつつ、振り向き様にアキラの顔を見た。
真っ赤に羞恥するアキラ。
怒っているというよりも、恥ずかしくてしかたがないという様子がとてつもなくかわいらしい。
(いかんいかんセクハラ!)
はあ、と教室の前でうなだれていると、
しばらくして扉が開いた。
「お、悪かったな。まさかいると思わなくて。」
アキラはこちらを見ず、下を向いたままだ。
耳が赤い。
「俺も、ごめん。先生。」
「ああ、気をつけて帰れよ!」こくっとうなづいただけで、アキラが源泉を通りすぎた。
「!!」
源泉はアキラの後ろ姿をみてアングリした。
「あ、アキラァアアアア!後ろ!」
「え?」
アキラのつけていたイチゴ柄のブラジャーとお揃いのパンツに、制服のスカートがひっかかり、小振りで張りのあるお尻がまる見え状態だった。
「!」
源泉は、今まできいたことがないアキラの大きな悲鳴を耳に響かせながら、鼻血を押さえることに必死だった。
 

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