WJ

□苦しくて、愛しくて。〜second〜
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バウントが現れて、死神達は行動した。それぞれ戦って、傷を負って帰ってきた。

あの居候も、もちろん。




「もう大丈夫なんですか?阿散井さん。」
様子を伺いに来たのだろう浦原が恋次に話しかけた。
「あぁ。俺は平気っスよ。それより、あのガキが・・・。」
部屋の奥に感じる花太郎の霊圧。花太郎は浦原商店に運ばれた人達の治療に専念していた。
「・・・そうですねぇ。今は彼に任せて、私達は信じるしかないでしょう。阿散井さんもまだ病み上がりなんですから、部屋にでも戻って休んでいて下さい。」
「・・・花太郎の治療が終わったら呼んでくれ。」

恋次は自分を責めていた。
どうして、もっと上手くやれなかったのか・・・。
胸の奥が沈んだように重くなって下を向くしかなかった。

「居候。」
「・・・なんだよ。」
「・・・ハッ!情けねーの!いつまでそうやってるつもりだよ。」
「うっせぇ・・・。」
部屋の前で待ち構えていたのはジン太だった。ジン太の言葉にもたいして反応はせず、部屋に入っていってしまった。

バンッ!!

「!?」
「テメーだけ背負ってるみてーなこと言ってんじゃねぇよ!!いつもみたいに罵声かまして言い返せよ!らしくねーことしてんなバカ!!」
「あぁ!?やんのかコラ!!」
胸倉を掴み上げる。
「お前なんかにゃ関係ねーことだ!俺はアイツを守ってやれなかったっ・・・アイツがこのまま野たれ死んだら・・・!」
「巻き込んだからか!?お前が助けられなかったからか!?・・・そんなこと全員痛感してんだよ!一人でも多く助けなきゃなんねぇんだっ。事が落ち着くまでウダウダ言ってんな!!」
ジン太は恋次を睨み、胸倉を掴む腕を掴み返してやった。
「・・・くそっ!」
荒々しく手を振りほどいた。






「・・・ジン太君。」
「ん?なんだよ、雨か。」
「居候さんのこと・・・気にしてるの?」
後ろに立ったまま、静かに尋ねる。
「だ、誰が!!喧嘩売ってんのかっ。」
雨の頭を拳でグリグリと攻撃する。よくやられるが、これはこれで叩かれるより痛い。
「いたたた、痛いよジン太君・・・。」
「うっせ!」
「・・・ジン太君は、居候さんのところに行かないの?」
手の動きが止まる。
「・・・なんで。」
「居候さんは・・・ジン太君のこと、待ってる・・・と思う。」
「待ってるくらいなら・・・自分から来いってんだ。」
「・・・ジン太君も、待ってる。」
「・・・・・・行きゃいーんだろ。」



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