うえき

□Snowy sky
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「ぅお、スゲェ積もったな!植木起きろよ!」
「何だ?・・・・・・雪?」
白く一面に広がる光景。


「お前の世界にもあったのか?」
「あぁ。俺がいたとこも同じくらい積もるぞ。」
「そうか。じゃ、定番の“アレ”やっか!」
「“アレ”?」
「雪が降ったらこれだろ!雪合戦!!」
俺の言い出しからナガラやソラ、ミリーを入れての雪合戦が始まった。




「寒いよ〜本当にやるの?」
ガタガタ震えながら腕を摩擦しているナガラ。
「お前んな格好してっからだろ!なんか着てこいよ。」
「え〜じゃハイジがあっためて?」
横から両腕をまわしてくる。
「ばっバカ!そーいうこと・・・!」
「素直じゃないなぁ。嬉しいクセにvv」
「触んな変態ー!!」

―――ヒュッ

「ん?」


バシィッ!!!


・・・何やら近くで凄まじい音が響いた。
「っ痛ぁー!!?」
声の主はナガラ。
ナガラを見ると顔や肩に雪が付いている。雪玉が当たったようだ。
「あ、ワリィ!ナガラ大丈夫か!?」
駆け寄る声の主は植木である。
「う、植木君痛い・・・。」
がっくり膝と手を地面に付いて痛そうにしている。
「大丈夫かよおい!?」
「ハイジ・・・。」
「どうした!?」
しゃがみ込むハイジの手を取って空いた右手のグーに親指を立てた。
「君への愛は負けないよ!!」
「・・・・・・・は?」


ドシッ!!


今度は重い音がナガラに命中した。
「ワリィ、また偶・然!当たっちまった。」
「いや別に強調しなくても。」
横でナガラの呻き声が聞こえる。
「ねぇねぇハイジっち、早く雪合戦始めよー!」
「待てよ、ナガラが・・・。」
「始めてていいよな、ナガラッvv」
植木が雪玉を片手にニコリと笑った。ナガラが間を置いて小さく承諾する。
「・・・・・・うん。」
「・・・。」
今植木の後ろに黒いモンが見えた・・・ような・・・??き、気のせいか。



「んじゃ二つに分かれようぜ!」
ナガラも復活して、俺達は合戦を再開した。
「どうする?」
「もちろんオイラはハイジと一緒〜♪」
性懲りもなく抱き付くナガラ。
「ひっつくなぁ!!」
「じゃあナガラのチームとハイジのチームで分かれよう。」
いきなり植木が話をきりだす。
「え!?なんかオイラとハイジ別々なの決定!?」
「ミリーは兄ちゃんが守ってやるからな!!」
「大丈夫だよお兄ちゃん。」
「じゃあ私は店長とかぁ〜・・・。」
しょうがないか、とハンバーガーを片手にしてほおばりながらミリーに手を振った。
全員ナガラの言葉など聞きもせずそれぞれ分かれた。


「ソラ・・・純粋なのと素直なのは全然違うからね・・・。」
.
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