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□cavallo e uccello
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イタリア某所。ディーノは自宅兼キャバッローネの本部に戻ってくると、大きなあくびをした。時間的に言えば、そろそろ仕事を終えて眠る時間である。
「どうする、ボス。もう寝るか?」
「うん。そーする」
ロマーリオと共に階段を上がり、ディーノは寝室の扉を開けた。
「じゃ、明日いつも時間に起こしに来ます」
「うん。おやすみ」
「おやすみ、ボス」
ロマーリオに挨拶を済ませると、ディーノは寝室に入り真っ先にベッドに向かった。一人で寝るには広すぎるくらいのベッドに掛かった毛布を持ち上げると、ディーノはある事に気付いた。
「……へっ?えっ?えぇー!?」
白いシーツと毛布に挟まれて、ディーノの愛妻、雲雀恭弥がすやすやと寝息を立てながら寝ていた。
「恭弥、何してんだよこんな所で!」
ディーノが寝ている雲雀を起こそうと手を伸ばしたところで、部屋の扉がノックされて慌ててロマーリオが入ってきた。
「ボ、ボス。恭弥と草壁が…」
「あぁ、恭弥はもう寝てるよ」
静かにとディーノが合図を送ると、ロマーリオの後ろから草壁が現れ、ディーノに頭を下げた。
「お前ら、一体いつ来たんだ?」
「二時間前です。しばらくは起きて待っておられたのですが、長期の出張でお疲れになったようです…」
草壁の言葉に、そうかとディーノは答えた。
「悠弥は日本か?」
「ええ。今回も若に黙って来ました」
またか、とディーノは苦笑を浮かべながら恭弥の黒髪を撫でた。
雲雀は出張ついでと銘打って、キャバッローネの本部に帰ってくるのだ。そのほとんどが悠弥に黙ってのことである。
「もう下がっていいぞ。明日の朝は静かにしてくれ」
「わかりました」
ロマーリオと草壁が去ると、ディーノはシャワーを浴びるために静かにベッドから離れた。


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