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□telefono
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電話が鳴った。
遠い地に任務に赴いた愛する人から。
『もしもし』
「生きてる?骸」
変だね。
生きてるからこうして電話してくれるのに。
『生きてますよ。ケガもしてません』
「よかった」
『凛音は元気ですか?』
凛音、俺と骸の間に生まれた、可愛い息子。
骸、お前にも見せてやりたいよ。日ごとに成長していくあの子の姿を。
「うん。すくすくと成長してるよ」
生まれたばかりだったのに、骸の力に気付いて大泣きした凛音。高熱が出るまで泣いてから、骸は長期の任務に出るようになってしまった。
骸、お前が責任を感じなくてもいいんだよ。
お前は帰ってきて、あの子を抱いてもいいんだよ?
でも、お前はアジトに帰ってきてもあの子を避けている。
『またおもちゃをそっちに送りました』
「ありがとう、骸」
骸は離れていても凛音の事を忘れてない。だから、おもちゃを送ってくれるんだろう?
「ねぇ、骸」
『何ですか、綱吉』
会いたい。
早く帰ってきて。
そんな事言えない。言ったら、骸は任務を放り投げてでも帰ってくる。
それは困るんだ。
「そっちの状況はどう?」
『芳しくありませんね。もうしばらく掛かりそうです』
「そう」
皆が居ても寂しい。
会いたい。
やっぱりお前じゃなきゃダメなんだ、骸。
『綱吉、愛してます』
「俺も愛してる」
早く帰ってきて。
そして、俺を抱きしめて。
『なるべく早くそっちに帰ります。そしたら、しばらくはそっちに留まりますよ』
「本当?」
『ええ。犬と千種にも千冬君の顔を見せてあげないといけませんから』
犬と千種を忘れずに気遣うあたりが骸らしい。
「じゃ、待ってるよ」
『ええ。それでは、また』
電話を切ると、落ち着いて息ができた。
「よし、俺も頑張るか」
俺は軽く伸びをすると、溜まっている書類に手を伸ばした。
早く仕事を終わらせて、凛音に会いに行こう。
そして、骸が帰ってきたら凛音を誰かに預けて、2人だけでどこかへ出かけようって思った。


Fin.
 

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