パラレル

□マンガのような出会いも…
1ページ/7ページ

※シルヴィアのアルビノ設定は無視の方向で!!

その日、俺は遅刻寸前で、校舎に向かって全速力で学園の敷地内を走っていた。
こういう時、幼等部から大学院まであるマンモス学園は困るよなと思いながら、俺は角を曲がった。
一瞬、心地よい風が吹いたかと思うと、俺は誰かとぶつかって尻餅をついた。
高めの驚いた声が聞こえたから相手は女の子かもしれない。
「痛っ………ごめん、大丈夫?」
顔をあげれば、初等部の制服を着た男の子が驚いたようにこちらを見ていた。
俺はその青い目に驚いた。
海のような深い青の目は見たことがないからだ。
「あ、いえ。こっちこそすみません。前を見てなかったので」
「いやいや、急いでたこっちも悪いから」
俺はそう言って落としたカバンに手を伸ばす。
その子は学園の敷地を案内する地図を拾う。
闇のような黒い髪、対照的に白い肌、それに浮かんだ青い目はくりくりしていて、女の子と間違えてしまいそうだ。
そんな子がなぜ中等部の敷地をうろちょろしているのだろう。
初等部の校舎はもっと東なのに。
そんな事を考えていると、ホームルーム開始のチャイムが聞こえてきた。
「やば、遅刻!」
俺は慌てて立ち上がると、適当にもう一度謝って走りだした。
担任にこってり怒られるとわかりながらも、あの可愛い小学生に出会えた事で思わず頬が緩んだ。

.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ