パラレル

□誘惑されるのはお嬢様か執事か・・・
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※お嬢様って呼ばれてるけど性別は男です
イメージはメイちゃんの執事なのでそちらの世界観を知ってから読んだ方がいいかもしれません

朝、翠が目覚める頃、静かに寝室の扉が開かれた。
入ってきた人物はカーテンを静かに開け、ベッドに眠る翠に振り返る。
「お嬢様、お目覚めの時間でございます」
呻き声をあげながら、翠は寝返りをうった。
「今日はとてもよいお天気ですよ、お嬢様」
執事の声を遮るように翠は毛布をかぶった。
それを見ていた執事は音もなくベッドに近付き、毛布を掴む。
「失礼いたします」
ばさっという音と共に翠を包んでいた毛布が宙を舞った。
翠は銀髪の合間から、自分を眠りから無理やり覚ました執事を睨む。
だがそれに臆する事無く執事はほほ笑んだ。
「おはようございます、お嬢様」
「お嬢様はやめろと・・・・・」
翠は小さく欠伸をした。
チョコレート色の瞳に涙が浮かぶ。
「・・・何度言えばわかる・・・・・・・・・・・悠弥」
ほほ笑んだ悠弥は手を自分の胸にあてた。
「失礼いたしました、翠様」
金色の髪を揺らしながら、悠弥は自然な動作で頭を下げた。


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