パラレル

□アニメ標的164「ボンゴレ匣、修行開始」
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※原作パロ標的220と同じ設定です

ヒュッと風を切る音が響いて銀色のナイフがダーツのボードに刺さった。
正確にはボードに貼り付けられたミルフィオーレファミリーの紋章に深々と刺さった。
「ママすごーい」
「シシシッ・・・王子の子なんだからシルヴィアもできるから」
ベルフェゴールは自分の左手側に座っているシルヴィアにナイフを渡すと、投げ方を教えた。
シルヴィアが喜びの声をあげると、ベルフェゴールは瞳を輝かせる息子の頭を撫でながら褒めた。
「で、うちの作戦隊長どこ行ったって?」
ベルフェゴールは先ほどまでカクテルを作りながら何かを言っていたルッスーリアに目を向ける。
ルッスーリアはピンク色のカクテルを手に振り返る。
「だから日本の跳ね馬から届いたボンゴレ10代目たちのメローネ基地攻略レポートを見たら・・『ゔお゙ぉい!ふざけんなぁ!!』とか叫んで飛び出して行っちゃったのよ」
「そういえばなんか本部が静かだなぁっと思ったら作戦隊長居なかったんすね」
ずっと窓の外を見ていたフランがようやく口を開いて話に加わる。
その言葉に苛立ちを覚えたのかベルフェゴールは我が子の手から銀のナイフを取り上げる。
「今頃気付いたみたいに言うな、新入り」
「今頃気付いたんですよ」
カエルの被り物にナイフが刺さるとフランは呻く声をあげたが、冷静に振り返ってナイフを抜くとそれを床に落とした。
「捨てんな・・・ったく・・・」
ベルフェゴールは悪態をつくと新たなナイフを息子に与えた。
「するとアイツの行き先は・・・」
「日本に決まってるじゃない」
「シッシシッ・・・日本の奴らいい迷惑だな」
ベルフェゴールの言葉が終ると同時にシルヴィアの投げたナイフがボードに刺さった。
しかしその次の瞬間、大きな音と共に天井が大きく揺れた。
そして下っ端と思われる者の声が聞こえてきた。
「も、申し訳ありません、ザンザス様!」
もう一度天井が大きく揺れて埃が天井から落ちてきた。
そして階上の部屋に響き渡る大の男の悲鳴。
「あ、またボスの被害者が」
淡々とした声でベルフェゴールの傍らにやってきたフランがやや天井を見上げながら呟く。
「・・・ったく、スクアーロが留守だとボスを抑える奴いねぇじゃん」
「レヴィも病院送り出しね」
「ルッス先輩、孔雀で回復してあげればいいじゃないですか」
「だってレヴィが嫌だって言うんだもの」
ルッスーリアの言葉通りレヴィは現在重傷のため本部にはおらず、病院に入院している。
「ボスから受けた傷は勲章だから消したくないんだって」
「シッシシ・・・・どこまでボスラブなんだか」
ベルフェゴールはそこであることに気付いた。
「シルヴィア、シャルは?」
息子が片時も離さない幼子の居所を聞く。
運がよければ幼子がザンザスを抑えることができるだろう。
「シャル?シャルなら・・・・」
ボスの所だよというシルヴィアの言葉に3人は階上は放っておいても大丈夫だという結論に達した。
「シャルがどうにかしてくれるな」
「ですね」
「シャルちゃんに任せておけば安心ね」
その言葉を知ってか知らずか、すぐ上の部屋に居るシャルが微笑んでベスターに寄り添った。

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