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□ある穏やかな昼下がりのこと。
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「ねぇ凛音。今日のおやつは何かな?」
小学校から帰ってきたアルファは、隣を歩く凛音を見上げた。手を繋いで歩く凛音は母親譲りの優しい笑顔を浮かべながら、それに答えた。
「さぁ、何でしょうね。アルファは何がいいですか?」
「うんとね……チョコ!」
「チョコですか…」
2人はおやつの話をしながら食堂に入った。
そこで働いているツナの部下からおやつを受け取ると、ツナとリボーンがサロンにいると告げられた。
リボーンの名にアルファが少し怯えたが、凛音はすぐにアルファが昼寝をするだろうと判断し、アルファを連れてサロンに向かった。
「ただいま、母さん」
「…ただいま、ボス」
2人はサロンに入ると、真っ先にツナ元へ向かった。
「おかえりなさい、凛音、アリファ。今日は凛音がお迎えの当番なんだね」
「はい。おかえりなさい、リボーンさん」
凛音がリボーンに挨拶すると、リボーンは手を挙げてそれに答えた。
リボーンの目が凛音の隣にいるアルファに向くと、アルファはピギャッ!と声を上げて凛音の後ろに隠れた。
「チッ…ツナ、どう見てもアホ牛そっくりじゃねーか」
「うん。そうだけどさ、どっかしらは似てるはずだよ」
2人の会話の意味がわからない凛音は、アルファをツナの隣に座らせると2人を交互に見比べた。
「ああ、あのね。アルファがリボーンと似ている所を見つけたいんだけど、中々見つからなくて…」
「アルファとリボーンさんが似ている所……」
凛音はそう言いながら、貰ってきたおやつをアルファに与えた。
アルファが恐る恐るしている所を見ながら、凛音は考えた。そして、そんなに時間が掛からないうちに答えを出した。
「寝つきの良さですかね」
「寝つきの良さ?確かに、リボーンって昔から寝るの早いけど!……ん?」
ツナは凛音に静かにするようゼスチャーで言われ、口をつぐんだ。
すると、凛音はおやつを食べ終わり、うとうとするアルファを抱き上げた。そして赤ん坊を寝かすように軽くアルファの背中を叩いてやると、アルファはすぐに静かな寝息を立て始めた。
「もう寝ましたよ」
「早っ!」
凛音の言葉に、ツナは驚きの声を上げた。過去にツナがアルファを寝かしつけた事もあるが、こんなにすぐ寝てはくれなかった。
「似てませんか?リボーンさん」
「………まぁ、ギリギリ合格点だな」
リボーンはソファーから立つと、凛音に近づきアルファの頭を軽く叩いた。
「凛音、早く学校に戻れ。次は苦手な数学の時間だろ」
「あ、はい…」
何で僕のクラスの時間割を知っているのでしょうと思いながら、凛音はアルファを寝かせるため、ランボとアルファの部屋に向かった。
「ツナ、山本に伝えろ。無駄に時間を使ったと」
「えっ?ひょっとしてリボーン知ってたの?」
「たりめーだ。アホ牛が俺の前で寝かしつけてたからな」
リボーンの言葉に、ちょっとがっかりとした表情を見せながらも、ツナは伝えておくと言った。

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