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□Mi scusi.
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「キレイか…とんだ子だね、シャルは」
突然、隣から聞こえてきた声に、スクアーロの心臓が飛び上がった。今まで寝ていたと思っていたベルフェゴールが言葉を発したからである。
「な、なんだよ…起きてたのかよ」
「うん。シャルがクッキー持ってきた時から」
ベルフェゴールがもぞもぞと動き出すと、シャルの置いていったティーセットに手を伸ばす。そしてクッキーを手にし、端っこを少しかじる。
「うま…スクアーロも食べれば?」
「お、おう」
ベルフェゴールに皿を差し出され、スクアーロもクッキーを手にした。
「ん?」
「どうした?」
「皿の下にこんなものが……」
ベルフェゴールが見せたのは、メモに走り書きされたシャルの文字である。
『ごめんなさい』
泣いて真っ赤に腫らして懸命に書いたと思われる文字に、カワイイねとベルフェゴールは言った。
「それにしても、いつシルヴィアはシャルに目を見せたんだ?王子と同じくらい嫌がるあの子が」
ベルフェゴールはそう言うと、スクアーロと顔を合わせて首を傾げた。
真相を知らない両親は首を傾げるばかりである。


Fin.
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