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□Miei figli
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久しぶりにγに会った。
妊娠がわかる前から話をしていないから、かなり長い期間顔を見ていないことになる。
「子供ができたって本当だったんだな」
「ええ」
γの言葉に頷いた。
おめでとうと言われたけど、今日は世間話ではなく仕事に話をするために第3部隊の部屋に来たのである。
「本部からの命令です。第3、第7、第8、第9部隊は本国に帰還しろとのことです」
辞令書をビリヤード台の上に置く。
「この辞令はアンタからボスに‘お願い’したのか?」
「前々から要請していたことです。間違えないでください」
背を向けて去ろうとすると、γに腕を捕まれた。
「待てよ。腹の子は俺の子じゃないのか?」
「知りませんよ。子供のことは放っておいてください」
手を振り解こうとするが、γの手の力は緩みもしない。
「正一」
「もう名前で呼ばないでください。あなたが僕に手を出してきたのは、僕が白蘭さんの物だったからでしょう?」
そんなに大声を出したつもりはないのだが、軽く息が上がってしまった。
「なんだ……知ってたのか」
「ええ」
腕を掴んでいた手の力が緩んで解放されると、僕は部屋を出た。
今度はγも引き止める事はしなかった。

研究室に帰ると、涙を流しながら人より大きいお腹を撫でた。
自分のお腹にいる子供が子供たちである事を教えられたのは、数日前だった。

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