パラレル

□マンガのような出会いも…
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大学部の敷地にある購買でお菓子を買うと、2人は日当たりのよいベンチに座った。
シルヴィアはシャルを向かいに座らせ、鉛筆を手に画用紙に輪郭を取る。
「シルヴィアってさ、美術苦手だっけ?」
「……普通かな」
「じゃあなんでサボるの?」
「別に……理由なんてないけど」
そこまで会話を続けると、シャルは大きくため息をついた。
「サボらなければこんな課題ないのに……」
「課題というか…授業で普通にやった内容だけど」
クラスメイトの人物画を描くのが本来の課題だが、シルヴィアの場合、モデルになってくれるのはシャルしか居なかった。
「シャル、笑った顔描きたいから笑って」
「難しい注文だね」
シャルは笑ってお菓子を口に放り込む。
2人が話をしているうちに、シルヴィアの課題は完成した。
「………シルヴィアって絵が上手だったんだね」
完成した絵を見ながらシャルは呟いた。
「あ、いや………恥ずかしいからあんまり見ないで」
シルヴィアは画用紙を隠した。

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