パラレル

□Mio Leale Geniale.
2ページ/7ページ


悲鳴をあげてもなお震える翠は悠弥の腕の中であやされても、悠弥の服をぎゅっと握ったままである。
それとは対照的にシャルは世話係であるシルヴィアに怒られているにも関わらず、甘えるようにシルヴィアの胸に擦り寄っていた。
「もう、今夜は1人じゃ寝れないって言われても俺のベッドには入れないからね」
「やぁ!それはいやぁ、シルヴィア」
シャルは潤んだ目でシルヴィアを見上げる。
「1人はいやぁ・・・そばに、居て?」
シャルのおねだりにシルヴィアが困っているのを見て、悠弥は未だに子猫のように震える翠を見下ろした。
怖い話を嫌う翠だが、性格的に考えると素直に悠弥と一緒に寝てほしいとは言わないだろう。
悠弥自身も子供たち3人で使っている寝室に戻す気にはならなかった。
「翠、今夜は一緒に寝ようか」
銀髪を撫でながら提案するとうっすらと涙を浮かべた翠の目が悠弥に向いた。
しかし、すぐにそっぽを向いた。
「悠弥がどうしてもと言うなら・・・」
悠弥はくすっと笑うと翠を自分の部屋に連れ帰った。


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ