パラレル

□Mio Leale Geniale.
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時を同じくして凛音は子供部屋を訪れていた。
3つ並んだ子供用のベッドのうち2つは空で、ベッドから脱走した事を示していた。
凛音は残された1つのベッドですやすやと眠る千冬の寝顔を見ると、笑顔を浮かべながら黒髪にキスをした。
すると千冬がぼんやりと目を開けて凛音の姿を捕らえた。
「りん・・・ねさん?」
「そうですよ。おはようございます、と言ってもまだ夜中ですが」
凛音は起き上がった千冬の黒髪を撫でた。
千冬は隣のベッドを見ると翠やシャルが居ないことに気付き目に涙を浮かべた。
「大丈夫ですよ。2人はそれぞれの世話係の所に居るだけです」
「そう、ですか・・・」
凛音は千冬の目に浮かんだ涙を拭った。
「2人は世話係の所で眠ることになりましたが、千冬も僕と寝ますか?」
千冬は頷きながら呟いた。
「・・・・・・・凛音さんがご迷惑でなければ」
「迷惑なんてとんでもない」
凛音は千冬を抱き上げるとベッドに残されたぬいぐるみを拾い上げて千冬に持たせた。
「千冬と一緒に寝られるなら僕も嬉しいですよ」
凛音が笑うと千冬も嬉しそうに笑みを浮かべた。


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