パラレル

□Mio Leale Geniale.
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シルヴィアの腕からベッドに下ろされるとシャルは嬉しそうに潜り込んだ。
毛布から顔を出すとシャルは大きな枕を抱えて顔を埋める。
それを見たシルヴィアは枕を持ってこさせればよかったと思いながら携帯を充電機に繋いだ。
いつもは寝坊防止にアラームをセットするのだが、シャルと一緒なら朝から喧しいシャルの声に起こされる事になるので寝坊の心配はない。
「シャル、今度から翠に怖い話をしちゃダメだよ」
「えー何で?」
「何でって・・・・」
人の嫌がる事をしてはいけないと教えればいいのだろが、シャルがその言葉を守ってくれた覚えはあまりなかった。
「あれは都市伝説なんだから怪談じゃないもん。嘘の話だもん」
「確かにそうだけど・・・・」
何の信憑性のない都市伝説を怖い話と言うのはおかしいが、シルヴィアが言いたいのはそこではない。
どう言えば思っていることを伝えれるか悩んでいると、シャルが楽しそうに口を開いた。
「だって、コーラで洗ったらヒニンができるなんて真っ赤な嘘じゃん」
「シャ、シャル・・・」
一体どこでそんな知識を身につけたのかと考えるとシルヴィアは泣きたくなった。
シャルは頭がよくても体はまだ幼児。
避妊どころか赤ん坊の作り方やどうやって生まれてくるかを知らないはずである。
「とにかく、今後は都市伝説の話は禁止ね」
「・・・・はーい」
シャルは渋々答えるとシルヴィアの服を掴んだ。
「・・・何?」
甘えた視線で見上げてくる恐怖を覚えながら尋ねると、シャルはシルヴィアを困らせるような事を言った。
「シャルが寝るまでぎゅっとしてて?」



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