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□拍手ログ agosto
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夏といえば? その4 スイカ割り

「はい、スイカ切ったよ」
悠弥がスイカの乗った皿をフローリングの床に置く。
「やった!」
翠はガッツポーズをすると早速その1つに手を伸ばした。
「いただきます」
千冬もその隣の切り身に手を伸ばした。
「悠弥、塩はないんですか?」
「あるよ。はい」
悠弥は自分の分に塩を振ってから塩の入った瓶を凛音に渡した。
「そういえば、スイカ割りにルールがあるのは知っていますか?」
「あるんすか?そんなの」
意外そうな顔で翠が2つ目の切り身に手を伸ばす。
「あるんです。スイカはよく熟れた国産スイカを使用する事。スイカと競技者の距離は9m15cm。制限時間は3分で、割れたスイカの断面の美しさで判定するそうです」
「何それ。変な判定基準だね」
悠弥は再びスイカに塩を振った。
「さらに審判員はその年のスイカを10個以上食べている必要があるそうです」
「はぁ!?」
悠弥の驚く声が上がった。
「誰も10個以上食べてなかったら誰がやるんだよ、審判」
「さぁ?」
翠の言葉に千冬は首を傾げた。
「ちなみにこれは1991年に制定された公式ルールだそうですが、現在制定した協会は存在してないそうです」
「……作った意味無いじゃん」
悠弥は2つめのスイカを手にした。
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