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□チャイナ服
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「それで、悠弥からはちゃんと届いたんですか?」
凛音の言葉に千冬はこくりと頷いた。
千冬のベッドの上にチャイナ服の入った紙袋が置かれているのだ。
「では、僕がお風呂に入っている間に着替えておいてくださいね」
「は、はい……」
千冬は赤くなりながら頷くと、凛音は嬉しそうに部屋に備え付けられた風呂場に向かった。
ベッドの上に置かれた紙袋を手にすると、千冬は深呼吸し紙袋を開けた。
「よしっ」

凛音が風呂から出ると、チャイナ服を着た千冬がベッドの上に座っていた。
飴色の目に合う薄い金色の輝きを放つ生地には、金糸で複雑な刺繍が施されていた。
脇のスリットも際どいもので、足元から太ももまで入っている。そのため千冬の少女のような白く、余分な脂肪のない細い足が見え隠れしていた。
「あ、あの…変ですか?雲雀さんのお借りしたんで少し大きいんですけど…」
「い、いえ……」
凛音はベッドの傍まで行くと、千冬をしっかりと抱きしめた。突然のことに驚いた千冬は思わず目を見開いた。
「可愛いですよ、千冬。よく似合ってます」
耳元で優しく囁くと、凛音はチャイナ服の上から千冬の足のラインをなぞった。
その合間に千冬の手を取り、甲にチュッと口付ける。
「ちょっと失礼」
凛音はそう言うと、床に跪き千冬の白い足に恭しくキスをした。
「あ、あの…」
千冬がどうしたものかと困っていると、凛音は悪戯っ子がするような目でウィンクした。
「そのままで」
「はぁ…」
千冬が当惑しながら答えると、凛音の唇が千冬の足に再びキスした。
足首、ふくらはぎ、膝、また足首、時折頬や唇にキスを交えながら凛音は千冬にキスを贈りつづける。
そして凛音のキスは千冬の足の指にまで及んだ。
凛音の前髪が千冬の足に触れるたび、千冬はくすぐったさを感じ笑い声を上げる。
「凛音さん……くすぐったいです」
千冬がそう主張しながら足を引っ込めると、そうですか?と尋ねながら凛音は逃げてゆく足を掴む。
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