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□夏休み明けの災難
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突然、生徒指導室からわずかな揺れと共に爆発音が聞こえてきた。
「おい。山本」
桜田に呼ばれ、何だよと翠は答えた。
「お前、どっかにダイナマイト仕掛けてねーよな」
「んな事するかよ。爆弾狂じゃねーんだから」
「だよなぁ……」
桜田の呟きに、5人の目線は生徒指導室に集まった。
するとキィィィンという金属音や空を斬る音まで聞こえてきた。
「ご愁傷様、鳥居先生」
ズズッ…と音をたてて花山は茶をすすった。

「だからさっきから言ってるだろ!翠は3/8イタリア人だ!俺の髪見てわかんねーのか」
「ですから、あなたも髪を染めていないとは限らないでしょう」
「おい、翠にまで留まらず隼人まで侮辱するのかよ。このキレーな銀ぱ…」
「邪魔だよ、山本武。日本人の生徒には染めるな、黒髪を保てと言うのに、地毛が黒じゃない生徒には黒に染めろと言うの?並中にいつそんな校則ができたの。そんな報告受け取ってないよ」
「少なくとも、てめーは俺の銀髪見て染めろとは言わなかったな」
「群れてるほうが目障りだったんだよ」
隼人と雲雀は目を合わさずに言った。
「まーま、恭弥も山本も獄寺もそれくらいにしておけよ」
鳥居の話をロマーリオも含めた5人で聞いていたのだが、すぐに雲雀と山本夫妻が怒り出してしまった。
最年長のディーノは黙って聞きながらも、今のようにそれぞれを抑える役目を果たしていた。
「まったく、風紀を取り締まる風紀委員長は金髪だし、校則違反だらけの山本翠はほとんど処罰を下されていない……それに風紀委員のOBがこの町を支配してるなど、信じられない町だな」
「僕の並盛を侮辱しないでくれる?」
『悠弥は日本に居る時だけ恭弥と同じ黒髪だっ!?』(※イタリア語で話しています)
「翠と隼人を侮辱するな!」
「テメェ、ごちゃごちゃとうるせぇんだよ」
4人は同時に言いたいことを叫ぶと、各々の武器を構えた。
「あーあ……すいません、若」
部屋の隅に控えていたロマーリオは小さく悠弥に謝った。
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