novel‐真選組side
□どこからか…(姉上とそーちゃん。若干土ミツ?)
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それから、何事もなかったかのように、ミツバは夕食作りを再開した。
「姉上、ちょいとそこまで用事があるので出てきまさァ。
あ、夕飯までには戻ってきますので、心配しないで下せェ」
「あらあら、気をつけてね」
ミツバがこちらに微笑んだのを見届け総悟は玄関まで向かい、外に出た途端にある場所に向けて走り出した。
(間違いねぇ…あれは…)
―♪―♪―♪―
「おぅ、悪かったな〜、わざわざ買ってきてもらって」
近藤の大きな声が響く。
「いや、どうってことねぇよ」
近藤のところの道場では、土方が近藤からの頼まれ物を渡していた。
ドドドドドドド…
「ひ〜じ〜か〜た〜〜〜〜!!!!!」
「なっ!!?」
土方と近藤の元に走ってきたのは刀を構えた総悟だった。
「おィ、土方コノヤロー!!姉上からタバコの匂いがしたんですけど、どういうことか説明してもらいましょうかィ…」
「なっ!?////おっ、俺が知るか、んなこと!」
否定する土方だが、総悟はSが覚醒したのか、怪しげな笑みを浮かべる。
「へぇ〜、じゃあ何で姉上から土方さんのタバコの匂いがしたんですかねィ……(ギロリ)」
(…ドキリ)
「しかも、あの匂いは抱きついたりよほど近付いた時に付いたもんですぜィ…」
「えぇぇぇぇ!!?そーなの、トシ!?」
何も知らない近藤は大いに驚いている。
「……俺は知らん」
「しかも、姉上に嘘までつかせるとはねェ……アンタの鼻の穴に唐辛子入れてやりましょうかィ?」
総悟の目は怪しい光方をして、相変わらず土方を睨んでいる。
……これが決定打となった。
「……チッ、分かったよ!言やーいいんだろ!?
アレだ………ミツバが転びそうになったから、支えようとしたらそうなっちまったんだ……まぁ、不可抗力だ。」
ガチャリ
「へぇ〜、じゃあアンタが切られるのも不可抗力でさァ。だから死んで下さい、土方コノヤロォォォォー!!!!」
ガシャ、ドォォォン!!!
「ちょっ、何でそうなんだ!!?」
「オイ、総悟やめ…」
近藤の願いも虚しく、そこは戦場と化してしまった。
(なんかミツバ殿を奪い合ってるみたいだなぁ、あの二人…)
あながち間違いでもないが…
そんな天然近藤はニコリと微笑んだ。
総悟が帰った時、うどんが延びていたのは言うまでもない。
終。