捧げ物
□甘い生活!?(3Z土ミツ)
1ページ/4ページ
それは木曜日の教室での話。
休み時間に机で突っ伏していた土方は教室の片隅から
『姉上、俺ァ週末はチャイナ達と泊まりで遊びに行ってきまさァ。
ただ、姉上を一人にするのは心配っス…』
『もう、そーちゃんったら心配性なんだから。
私は大丈夫だから、みんなと楽しんで来てね!』
『はいっス!
僕、姉上のためにお土産いっぱい買ってきます!』
という姉弟の会話を聞いた。
相変わらず仲いいな、アイツら。
総悟は週末いねぇのか。
つーか、最近は結構物騒なのに、女子高生が一人で大丈夫か…!!?
一応彼氏としては放っておけねぇよな……うん。
いやいや下心なんかねぇぞ。ほら、アレだ。ミツバが何かに巻き込まれたら嫌じゃねぇか…
ただそれだけだ、ウン!
一人納得した土方。
そして、彼女の方へと向かった。
「ミツバ、週末俺んとこに来ねぇか?」
総悟が居なくなったことを確認し、ミツバにこっそり耳打ちした。
それを聞いたミツバは椅子に座ったままキョトンと俺の顔を見上げている。
「十四郎さんのお家に…?」
「あ、あぁ」
「クス…
どうして?」
い゛!!?
どうしてってそりゃぁお前が心配だからだ!って恥ずかしくて言えっか!//////
そうか……いきなり家に来いなんて言っても困るよな…;
「あ……えーっとだなァ…」
俺は何も言えなくなって、黙りこんでしまった。
うつ向いた顔のままでもミツバのクスクス笑う音が耳に入り、ますます居心地が悪くなる。
「フフッ、じゃあ十四郎さんのために美味しいカレーを作るわね♪」
そう言って、うつ向く俺に微笑む彼女はなんて可愛いいんだ…
アイツの作るカレーは涙が出るほど辛いけど、ミツバが悲しむ顔なんか見たくねぇから必死に我慢だ。
「おぅ、分かった。
じゃあ、土曜にお前ん家まで迎えに行く」
「はい、分かりました。
カレー…
楽しみにしててね!」
その微妙な間が更に怖ぇんだよな……
まぁ、楽しみだけどな。
「おぅ/////
また連絡する…」
ヤバイ……どうしよう…
週末がスゲー楽しみなんだけど!
今まではうちに呼んだことはあったけど、泊まりは初めてだ。
シスコン総悟が泊まりは許してくれねぇからな。
泊まりか…
あ、部屋掃除しねぇと!
布団も干さねぇと!
ミツバが泊まりにくるということで、することが多くて悩みが尽きない土方だった。