novel‐真選組side
□放課後勉強会(3Z土ミツ+沖神?)
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初夏も近い晴れた日――…
銀魂高校では定期テストを数日後に控えていた。
もちろんこの学校で盛んな部活も今は一時休戦中。
「あー…もぅ来週にはテストかぁ…」
3年Z組で数少ないまともな人物山崎がボソリと呟いた。
「オメェ勉強してるか?」
隣の席の土方がその呟きを聞き、山崎に質問する。
「うーん…まだ少ししか…。今日は新八君と一緒に勉強して帰ろうかと話してたんですよ。」
――ガラッ
「オーィ、授業始めるぞ〜」
けだるそうな声と共に担任の銀八が教室に入室した。
テストかぁ…そういや部活が忙しかったから何も手ェつけてねェな…
ぼんやりと考えながら、テスト前にも関わらず授業を聞き流す土方。
キーンコーン―…
「んじゃー、オメェらちゃんと勉強しろよ!俺は帰って昼寝でもするから。いや〜学生さんは大変だねぇ〜。じゃあな」
と、嫌味を言いつつ、銀八は職員室に向かった。
騒がしかった教室内にも、数名程が残っているだけになった。
「十四郎さん」
「おぅ、何だミツバ?」
「もうすぐテストですが、十四郎さん対策してますか??」
「あー…まだ何にも手ェつけてねぇんだ」
「フフッ、そうですか。十四郎さん帰りに勉強して帰りませんか?」
ミツバはクラスで一番…いや、学年でも指折りの成績だ。
ミツバと一緒に勉強することは、かなり心強かった。
それに、こんなことは誰にも言えないが、実は幼なじみのミツバのことが気になっている。
土方には断る理由がない。
「おぅ、ミツバが一緒に勉強してくれたら心強いぜ」
「フフッ、では図書館に行ってみましょうか」
ミツバの提案で、二人は図書館に向かうことになった。
――ガヤガヤ
いつもは人がいることがない図書館だが、テスト前ということもあり、机にはテスト勉強をしている生徒達。
「思った以上に多いですね…」
「あぁ、これじゃ机には座れねぇみてぇだな…」
「どうしましょうか…」
こんな人がいたらテスト勉強なんて集中出来ねぇな…
「ミツバ……うち来るか?」
「十四郎さんの…?」
「あぁ、ここよりは静かに勉強出来るだろ?」
けれど、ミツバは浮かない顔をしている。
「ご迷惑じゃ……ないですか??」
ちょっ、なんだよ!
ミツバが迷惑なわけないじゃねぇか!
「んなこたぁねぇよ。むしろお前の頭のよさは必要だ」
「…!フフッ、それじゃ帰りましょうか」
二人は玄関に向かった。
その二人を後ろから見つめる人物が……。
「土方クソヤロー!アイツ何で姉上と帰ってんだよ…」
そこへ沖田の想い人の神楽が通りかかった。
「おぃサド、お前何してるアル?完全に怪しい人間ネ。あっ、お前人間?」
「何言ってやがるチャイナ…そんなことより姉上が危ないんでさァ!」
「ミツバ姉が?……って、またトッシーあるか?お前いい加減諦めるヨロシ」
この件に関しては神楽の方が大人である。
しかし、ただ一人の姉が土方コノヤローに狙われている(?)総悟は気が気でない。
「けっ、面白くねェな…オィチャイナ、ちょっと付き合え!」
「何ネ?お前の相手はいやヨ。」
「違うでさァ。土方さんが姉上を家に連れ込まねェように先回りするんでさァ。」
「おぉ!なんか分かんないけど面白そうアル!そうと決まれば早く行こうヨ!」
呆気なく沖田側についた神楽は、沖田の手を引き土方の家に向かった。
しかし、神楽は土方の家を知らない…