novel‐真選組side
□どこからか…(姉上とそーちゃん。若干土ミツ?)
1ページ/2ページ
「ただいま、そーちゃん」
カラカラと戸を閉めながら、ミツバは彼女の弟の総悟に声をかけた。
部屋に寝転んでいた総悟だったが、大好きな姉の帰宅を告げる声を聞き、玄関に走った。
「姉上〜!おかえりなさいッス」
「フフッ、ただいま…そーちゃん」
ミツバはニコリと微笑んだ。
「そーちゃんお腹すいたでしょう?今からご飯作るわね」
総悟は返事をすると、ミツバは荷物を置きに自室へ向かった。
フワリ…
沖田の鼻孔にいつもミツバから香る匂いとは違うものが入り、総悟は違和感を覚えた。
(この匂いは姉上の香りとは違うな……)
―♪―♪―♪―
ミツバは弟のために夕食を作っていた。
台所にはよい匂いが漂っていた。
「姉上、何を作ってるのですか?」
「あら、そーちゃん。今日のご飯は唐辛子たっぷりの鍋焼きうどんよ」
「………(また辛いものか…)
あの……
先程、姉上とすれ違った時に、姉上からタバコの匂いがしたような気がしたんですが……姉上もしや喫煙を……?」
体の弱い姉を気遣い、姉から香ったタバコの匂いを心配する総悟。
ミツバはその言葉を聞くなり、うっすらと顔を赤く染めた。
「そうかしら?買い物に行った先で匂いが移ったのかしら…?」
「そうですかィ…それならいいんですが……」