その他ジャンル

□青の娘と赤の男
2ページ/2ページ





『めーくぅ〜ん!!!!』


ズドドドドというけたたましい音と共に猪突猛進する物体。
それはある人物に勢いよくクラッシュし、その人物ごと地面に撥ね飛ばした。



その場にいた面々は何事かと青い顔をしている。
土煙が去ったそこに現れたのは可憐な見た目の青い髪をした少女。

…の下には男らしく引き締まった体つきの茶髪の少年。




「っつ…!いきなり何だよ!!?」


首を上げ、腹の上に踞る少女に少々荒い言葉を投げつける。



「え〜!だってめー君に会えなくて寂しかったんだもん!だから会いに来ちゃったvV」


ニコリと可憐に微笑むKAIKOだが、その表情とは裏腹に彼女の手は引き締まった腹や胸元をスリスリと擦る。


「ちょ、てめっKAIKO!?何触って…!」


「え〜いいでしょ〜減るもんじゃないし♪」

「よくねぇ!!!」


その一言とともにムクリと起き上がったMEITOはキッとKAIKOを睨み付ける。
しかし、恋は盲目なKAIKOにそんなことが効くはずもない。





何を勘違いしたのか、起き上がったMEITOの身体にキュッとしがみついた。


「も〜…めー君ったらそんなに私を見つめて…カッコいいvV」


「お前人の話聞いてたのか…;」




これ以上この少女に何を言っても無駄だと判断したMEITOはとりあえず、KAIKOを引き離して立ち上がった。





「あ、あの〜…;」


そう声を掛けてきたのはプロデューサー。

MEITOは新曲のレコーディングをしていたのだが、曲録りを終えて明日の打ち合わせをしようかというときにハプニングが起こったのだ。


「あ、すんません……明日のことですよね?」










とりあえず、KAIKOを放置し、明日のスケジュールについて確認するMEITO。


その一部始終をニコニコと見守っていたKAIKOはMEITOが出てきたところで腕をガッチリと掴んだ。
余談だが、か弱い外形に似合わずその力は凄まじい。


その兄の腕力の倍はあるだろう。



「……何の真似だ?」

「え〜…だって私一人で帰るの怖いんだもん…」



上目遣いでうるうると瞳を揺らせば、そこらの男共はすぐにノックアウトだろう。
しかし、MEITOにはそんな技は効かない。この手口はもう何度目であろうか。




(お前の腕力なら手を出そうとした方が酷いことになるぞ…)


本音はこうである。

しかし、KAIKOは一応女のコ。




男としては一人で帰らせるわけにはいかねーだろ。
もし襲われたら何か後味悪いしな…





しばしの間が過ぎたあと軽くため息をつく。


「仕方ねぇな……今日だけだからな?」


握られた腕をグイグイと引っ張ると、少女は子犬のように嬉しそうに後を歩む。




「めー君大好き!」



「あ〜ハイハイ;」












二人は寄り添って、夜の街に消えて行った。









数十分後必死に家に上げようとする人物と、逃げようとする人物の抗争が始まるのは言うまでもない。





















ア ト ガ キ
何か意味不でスンマッセェェェンorz
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ