文章

□もう少しだけ
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あの人は馬鹿です
大馬鹿です


けれど…



―もう少しだけ





「…観月、ほら、手…」




「…いや、です…っ、」



こんな淫らな行為を…



ここは僕の部屋で、



大きな声を出したら



すぐに周りに気付かれてしまう








この人とこんな関係になったのはいつからだろうか



何故、そのような関係になったのだろうか


分からない




いつの間にか、口付けを交わし


いつの間にか、体を重ねてた



無理矢理ではない


僕も、口ではああ言っているが


本当に嫌なわけではない


むしろ、


この人と

こうして唇を重ねることや

体を重ねることが



好き…で


離れられなくなってしまった





「っ…なあ…キス、したいんだが…」




赤くなる顔を見せたくなくて顔を手で覆っている僕に、


耳元でそう囁く



そんな事言われたら…


僕だって…





「…っ…」



「…よく出来ました」



大雑把に見えるこの人だが


僕にはいつも優しく触れてくれる



親指で唇をなぞり、優しく口付ける


そして角度を変えながら

舌を口内に侵入させる



その舌が僕の舌と絡まり、



厭らしい水音が部屋に響く





「っふ、…ん、」




体の内側から

何かが溢れ出すような感覚がする



なんとも言えない



快感





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