□海に溶けた
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いつからだろうか、いつからだろうか。
あんたが好きでたまらなくなってた。
いつも真面目に土方さんの任務こなして、失敗したら責任感じて、誰よりも努力してたんだと思う。
なのにさ、

「山崎、」

触れた手はこれでもかというほど熱を持っていて、何これと口の中で呟いた。
確かね、山崎が怪我して、近藤さんとかも怪我して帰る途中なんだよね。
今から船で帰って、みんな仲良くしてたあの場所に帰って、山崎助けるんだよね?
なのに、何で?
熱下がらないし、怪我も良くならない。

「何、泣きそうな顔、してんねん」

少し動いた手に反応して顔を上げると山崎が目を開けていて、なんとか我慢してた涙に歯止めが利かなくなってとうとう泣き出してしまった。

「やま、ざきぃー・・・・!!」
「あーもう、泣くなや・・・」

熱のこもった手はのろのろと上へ登り、ぽんっと私の頭に乗る。
それが弱々しくて余計にいつもの山崎とは違うことを悟らせて、

「ほら、阿呆は阿呆らしく笑っときぃ、」

そんな憎まれ口も言い返す余裕もなかった。
だってあなたは、







海に溶けた
(あなたは結局海に沈んでしまったね)(結局この想いも伝えられなかった)




先日新撰組を調べたとき山崎は船で死ぬと書かれていたので(確かではないようですが)
Peacemakerをふと思い出しまして
やってしまった次第でした

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