DREAM

□ハロウィンのいたずら
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今日はハロウィン

去年はラビとアレンと走り回っていたような気もするが今年はなぜかそんな気になれない

これが大人への一歩かなんて思ったりするがたぶん違うと思う

ただ飽きただけだ

「はぁ・・・・」

暇だが何もする事がなく仕方なく本を手に取ろうとした
が、届かない
その本は本棚の一番上にあり、とてもじゃないが手は届かない

「うー・・・・・!!」

背伸びをして片足をなぜかあげ精一杯腕と指を伸ばす

しかし届かないものは届かない

「どーしよ・・・・」

あれがないと暇つぶしはできない

困ったなぁなんて思っていると頭の上から声がきこえた

「これか」

振り向けばそこには神田がいて手には取ろうとしていた本がある

もう一度本棚を見るとそこにはもうあの本はなかった

「うん、ありがと」

私はそう言って本を受け取りちらっと部屋を見た

よかった
ちょうどラビとアレンはきたあとで、部屋に置いてあったお菓子はすでにない

ていうかその前にいつのまに入ってきていたんだ

「ノックしたのに返事ねぇから勝手に入った」

口にでてたらしく神田はさらっと答えた

ノックに気づかないなんてどこまで集中していたんだ
いろんな意味ですごいと自分を誉めた

「あぁなるほどって・・・・鍵あいてた??」
「ああ」

だいたい鍵は中にいても閉めておく癖をつけているつもりなんだが、これがまたすぐに忘れるのだ

「そんなに不用心だと危ねぇぜ」

神田はそう言った

「危ないって何が?」

私は首を傾げた
危ないって言ったってしれてるじゃないか
だって誰も悪いものはいないだろうし
それに多少のことで負けるほど自分は弱くないつもりだ
唯一怖いのはコムリンくらいでコムリンの場合鍵を閉めても無駄である

「まぁそのうちわかるだろ」

神田はそう言うと本棚を見つめる

「何か読みたい本でもあるの??」

いや、違った
本棚の前にたっている私を見ていたのだ

それに気づいたのは聞いてからだった

「trick or treat」
「へ??」

神田からの意外な言葉

「神田お菓子欲しいの?」

まさか神田の口からそんな言葉が出てくるとは思わなかった

むしろお菓子なんて嫌いかと・・・・

「あ、でも・・・・」

よく考えるともうお菓子はない

全部アレンとラビにあげてしまった後

「お菓子ないよ・・・・??」
「じゃあいたずらだな」

神田はそう言って笑った

ラビみたいな純粋な笑顔でもなく
アレンの紳士っぽい控えめの笑顔でもなく
神田のは妖しく何かを楽しんでる感じ
何を楽しんでいるかというと、もちろん私にするいたずらだろう

「か、神田??」

逃げようとする私を神田は本棚に抑える

もともと余裕などなかったのだが更に距離は縮まり気がつけば息がかかるほどの距離

「本当にお前は無防備だな」

そう言うと神田は私にキスをした

「次はちゃんと鍵閉めとけよ」

そう言い残し神田は部屋を出て行く
私はというと腰が抜けてしまっていた

「・・・・・」

ああなんてことだ

「やばい」

この胸の高鳴りは当分消えそうにない





ハロウィンのいたずら
(来年は神田の分のお菓子も用意しておかなきゃ・・・・!)


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