アリスのお茶会
□生命の灯
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今から13年前、ウズミ・ナラ・アスハの妹ヴィア・ヒビキが双子を出産した。ユーレン・ヒビキの元へ嫁いで何年もすぎたころだった。
ウズミはオーブ首長国連邦の代表であり、恋愛結婚したヴィアは勘当された身であった。そのため、こっそりと出産祝いに駆けつけたのであった。
そこでとんでもない話を聞く。
「お兄様、カガリとキラです。カガリはナチュラルですがキラはコーディネーターです。ユーレンは手を出してはならない領域を超えてしまいました。この子達の未来を守るため、お兄様に託したいのです」
「私の力でこの2人をまもれというのか?何故、こんなことになった」
「最高のコーディネーターを作り出すために私の子を双子にしもっともてきしたほうを人口子宮に入れたのです」
「何とおろかな…、分かった私の力の及ぶ限り2人を守って見せよう」
それが兄妹で取り交わされた最後の約束になった。
「お父様どうして?キラだけ月に行くの?」
「カガリ、キラはコーディネイターだからナチュラルの勉強は優しすぎるのだよ。だから、コーディネイターのいる学校に行かないといけないんだ」
「嫌、僕カガリと離れたくない」
カガリとキラ2人には男女一名づつ乳母と世話役が付いていた。
カガリにはマーナとキサカ、キラにはハルマ夫妻が付いていた。そして、分かった事はキラにはナチュナルの教育では優しすぎるということだった。
ウズミは検討した末、キラを月のコペルニクス都市の学校に留学させる事にしたのだ。
「カガリも月に行く」
「我侭をいうものではない。お前はアスハ家の跡取りとしての教育もあるのだぞ。いざという時にキラを守れる男にならなくてはいけないのだ。いつまでも、キラに甘えるものではない」
「パパ、ママ。僕月に行くのはカガリと一緒がいい」
ハルマ夫妻はキラの頭をなでながら
「キラ様、貴方はアスハ家の姫君です。カガリ様を助ける事のできるよう頑張って勉強して、一日でも早くカガリ様の下にかえってきましょう」
「頑張れば、早くカガリの所にかえれる?」
「ええ、かえってこれますとも」
「じゃ、僕がんばる。カガリ、お休みの日帰ってきていい?」
「当たり前だ。私も頑張る。キラも早く帰って来い」
こうして、キラの月への留学はきまった。その時、ウズミから注意されたのだ。オーブの姫と悟られないよう、ハルマ・ヤマト夫妻の子、キラ・ヤマトとして月では生活する事ハスハ家のゆかりの者と悟られない事。以上のことを言われキラは頷いた。
キラとてブルーコスモスの脅威は乳母達に聞いている。もしも、ハスハ家の姫がコーディネイターだと知れると標的になりかねないのだ。
出立の前の晩、2人は禁じられている1つのベットで眠った。
朝、部屋にいないカガリを探しにマーナがキラの部屋を覗くと幸せそうに眠っている2人がいた。