アリスのお茶会

□生命の灯
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 季節はずれの転校生は、何処に行っても目立つ物だ。
 「はーい、皆さん。新しいお友達を紹介しますね、キラ・ヤマトさんです。キラさんはお父様のお仕事の都合で引っ越されてきました。仲良くしてあげてくださいね」
 先生の言葉に皆が元気よく、はーいとへんじをする。
 「キラさん、皆にご挨拶して」
 「はい、先生。キラ・ヤマト、4歳です。月は初めてなので、よろしくお願いします」
 「今日から貴方の席は、アスラン・ザラ君の隣よ。アスラン君色々教えてあげてね」
 「はい、先生」
 キラは指定された席に着きアスランに挨拶をする。
 「キラ・ヤマトです、よろしくお願いします」
 「アスラン・ザラだ。よろしく」
 これが、2人の初めての出会いであった。
 そして、授業が始まるとキラが首を傾げたり、教科書をめっくったり、メモリーチップを入れて検索をかけたりしている。
 不審に思ったアスランは
 「キラさん、どうかしたんですか」
 「うん…僕ここのとことの勉強済んでるみたいなの」
 「えっ!終わってる?」
 ここは、コペリニクス都市でも、有名な進学校で99%がコーディネイターなのである。特に、キラが在籍しているクラスは特進クラスAでハイレベルなのである。
 アスランとて、授業には付いていけるが予習無しではつらいものがあるのだ。
 なのに、この少女はもうクリアしてしまっているという。
 「先生、キラさんはこのレベルをクリアしているそうです」
 「ええ、分かっていますよ。9月からの新学期に特選クラスが出来るでしょう?そこに入る前にクラスに馴染んでもらうためよ」
 先生の説明にクラスの皆はキラは特選クラスに行く事が決定なのだと知った。
 出来れば自分も彼女と行きたいそう思わせるほど、キラは可愛かったのだ。
 その日から、アスランの涙ぐましい努力が始まった。

 一週間もするとキラはクラスのアイドルになってた。他の女の子が嫉妬するのが虚しい位キラは可愛く、私が男の子からキラを守ってあげなきゃと思わせるほどである。


 月日は流れ、アスランとキラは仲良しさんになっていた。もうすぐ夏休みアスランはプラントの自宅にキラを招待しょうと考えていた。しかし、

 「僕の本当のお家はオーブにあるの。パパもお仕事で帰るから夏休み入ってすぐ帰るから、アスランとは暫く会えないね」
 キラはにっこり笑顔でアスランを絶望に叩き落とす。

 ショックを受けている時父パトリックがプラントからやってきた。

 「アスラン、友人の一人でも出来たか?」

 「はい、女の子ですが、俺とゲームで張り合えるのは彼女だけです」

 「ゲーム?遊びか?」

 「はい、彼女がプログラミングしたセキュリティ解除タイムアタックゲームです」

 「そんな、高度プログラミングができる友人が出来たのか。私も会ってみたい。明日、家に招待しなさい。いいな」

 「はい」

 始めての友達を父に紹介するのが、キラだとは誇らしいが、父が気に入ってくれるか心配だ。

 当日、キラは可愛いロリータファッションでやってきた。
 凄く似合っていた。

 「こんにちは、初めまして、キラ・ヤマトです」

 アスランとパトリックは余りの可愛さに見とれてしまう。母レノアだけは興奮して
 
 「まあ、キラさんと言うの?可愛い方ね。アスランの母親のレノアというの、よろしくね?」

 「アスランのお母様?じゃ、レノア小母様とお呼びすればいいですか」

 「いいえ、レノアお母様と呼んでちょうだい。その手に持っているのは何かしら?」

 「ママのお手製のパイなんです。つまらない物ですが皆様でお召し上がりくださいとのことです。気に入っていただけると嬉しいんですけど…」

 「素敵なお母様ね、私、料理があまり得意じゃないのよ。うらやましいわ。早速お茶にしましょう。キラさん」

 「はい、レノアお母様」

 「貴方方、キラさんに見ほれるのはいいけれど、お茶にしますよ」

 「は、はい、母上。キラ、こっちが父のパトリック」

 「アスランのお父様、パテリック小父様、パティ…あれ?キラ・ヤマトです。あの…」

 「パトリック・ザラだ、よろしく。パティお父様でいいよ。ところでキラさんは」

 「あ、お父様もお母様も僕の事は呼び捨てにしてください」

 「キラは、プログラミングが得意だそうだが、どんなゲームか見せてくれないか」

 「はい、これです」

 ミニパソコンをバックから取り出し起動させ、パトリックの前におく。

 「ここに答えを打ち込み、スタートボタンをおして普通画面に変わったらハッキング開始してください」

 パトリックは一般のハッキング方法を試すすると、エラーが出てきてしまう。それではと企業用のハッキングに変えるが又もやエラー幾つかのハッキングパターンを試し、最後に軍事コードを入力したところ、警告音が鳴りゲームオーバーの文字がでてきてその後に入力した文字が出てきた。

 「あーあ、父上もそこでトラップにひっかかてはダメじゃないですか。キラの思う壺ですよ」

 「アスラン…お前達このコード何処で入手してきた?」

 「キラですよ。キラのメモリーパック其れは凄いデーターのオンパレードですよ。どうも、自宅の大型パソコン使ってかなり遊んでるようですが」

 そこへ、レノアがやって来てパイとお茶を配りだす。

 「で、あなた、ゲームはクリアできまして?子供のゲームに遅れをとったなどとは言いませんよね」

 「レ、レノア!」

 「でも、お母様しかたありませんよ?お父様がなさったゲーム今日の朝、改良し終わったばかりの新作なんです。アスランだってクリアできるかどうか、試しにもってきたんですから」

 「キーラ、また、徹夜したな?其れより改良ってまた高度にしたのか?」

 「だって、アスすぐにクリアしてくるじゃない。つまんないんだもん」

 「すぐったって、これでも、苦労してクリアしてるんだぞ。俺もやる!父上貸してください」

 「あのな、アスラン…」

 「父上は黙っていてください」

 「いいじゃありませんか、私達はキラさんとお茶をしてれば」

 レノアは早速パイにホークを刺し口に運ぶ

 「あら、これなんて美味しいパイなの。お店で売ってる物と比べ物にならないわ」

 「ありがとうレノアお母様、ママ、喜びます」
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