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□おやつの時間
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太陽がふんわりと寒さを和らげている。
時計の針は三時を刻んだ。
「僕を待たせるなんて…。」
先ほどから、タルトが光を反射し…キラキラ輝いてシエルを誘っていた。
我慢の限界など、三時ぴったりに超えていたシエルはワゴンへと近づいて…そっとフォークをとる。
タルトがおいしそうで…ペロリと舌なめずり。
──主を待たせている執事は使用人の大惨事を片付けている。
まあ、指示したのはその主なのだが。
辺りを見回してタルトをこっそりと口に運ぶ。
「…うまい。」
思わず、口角があがる。
最後のタルトをフォークにのせて可愛いらしい口を大きくひらいた。
パクンッ
ふくらんだ頬は幸福そうで。
…コンコン
「ん!!」
「失礼いたします。」