俺を照らしてくれる光

□4話
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〜病院〜

俺は、雅治と姉さんに支えられて病院に行き、桑原の親父さんに診察をしてもらった。
すると、診察を終えた親父さんは渋い顔をして俺を見た。


「亮くん。
今から話す事は、君にとって、とても辛い事だよ。
それでも聞くかい?」

亮「………はい。」

「そうか…なら単刀直入に言うよ?
…………君はもうテニスプレイヤーには戻れない。」

亮「え…………」

「君の右腕は今、骨が粉砕骨折してるんだ。
痛み止めが効いてるから分からないだろうけどね…
そして、その砕けた骨が神経を傷付けてしまった。
実際に開いてみないとなんとも言えないけど、リハビリをすれば日常生活に支障はないし、軽く打ち合うくらいはできると思う。
……だけど、ちゃんとした試合はできない。」

亮「そ、ですか……………」


薄々そんな感じがしてたから、大して驚かなかった。


「今から手術をして、砕けた骨を元に戻し、ギプスで固定するよ。
今回は抜糸しなくてもいいように、特殊な糸を使って傷口を縫うからね。」

亮「いつ頃退院できますか?」

「どうしてだい?」

亮「今の家に、あまり負担を掛けたくないんです。
俺を優しく迎え入れてくれたあの人達に迷惑を掛けたくない………
だから、なるべく早く退院したいんです。」

「…必ず通院すると約束できるのなら、術後の経過次第で、一週間前後には退院できるよ。」

亮「分かりました。」

「じゃあ、手術室に向かおうか。」

亮「はい。」


親父さんと一緒に手術室へ向かった。


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