俺を照らしてくれる光

□4話
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《心香side》

亮が手術室に入ってから、カルのお父さんに詳しい説明を受けました。


心香「そ、んな………」

憂夜「アイツら……
絶対ぇ許さねぇ……」


兄さんが拳をグッと握り締めました。


彩乃「お兄ちゃん…………」

「今は、砕けた骨を繋ぐ手術をしてるんだ。
かなり時間が掛かると思うけど…」

雅治「待つよ。
アイツは家族なんだから。」

リョーマ「待っててあげたいんだ……
今一番辛いのは亮兄だから。
だから傍についててあげたい……」

「そうか………
あ、あと亮くんはこんな事も言ってたよ。
暖かく迎え入れてくれた君達に迷惑を掛けたくないから、一日も早く退院したいって……」

憂夜「……あの馬鹿、そんな事考えてたのかよ………
自分が一番辛いくせに……っ、」

大石「亮は優しい……
だから、自分より他人を優先する。
そんな亮が他人を傷付ける訳がない………
少し考えれば分かるはずなのにな…」


秀は亮と仲が良く、自他共に認めるライバル兼親友だから…だから、亮をちゃんと理解しているんです……
亮は誰よりも優しい心を持ってる事を。


不二「亮は、他校の僕達から見ても分かるくらいに、氷帝の為に…そして何よりテニス部の為に頑張ってた……
それなのに、岳人以外は亮の本質を見抜けなかったなんてね…」

ジャッカル「それを言うならウチもだ。
神の子と呼ばれる幸村や達人と呼ばれる柳まで、あんな女に騙されるなんて…」

雅治「ホントだよ…
ったく、あんな女のへったくそな演技に騙されやがって……
神の子が聞いて呆れる。」

菊丸「あんなの全然神の子じゃないじゃん!」

心香「英二の言うとおりです。
片方の人物の言うことだけを信じて、もう片方の人物の言うことはまったく聞く耳を持たない……それは絶対やってはいけない事なのに、あの人達はそれをやった…
仲間を裏切るなんて、最低で卑劣な行為です。」

愁翔「ほの姉は、そういうのが一番嫌いだからね。」

心香「当たり前です。
仲間を裏切るなんて最低だ。
……でも、私が一番許せないのは、亮を嵌めたあの女です。
亮が暴行されてた時も、醜く口元を歪めて笑ってたんですよ!?
絶対許せない……
亮から仲間と家族を奪ったアイツを……」

彩乃「ほのちゃんがそんな事言うなんて…」


雅治「そうとうキレてんな……
ま、当然っちゃ当然だけど。
っつか俺も相当キてるし。」

岳人「家族がやられて黙ってられるかっつの。」


今まで電話をかけていた岳人が戻ってきました。


憂夜「どうだった?」

岳人「良いって。
亮が退院したら、俺も一緒に青学通うわ。
手塚、俺の分も頼めるか?」

手塚「ああ、手配しておく。」

不二「それよりさ、雅治とジャッカルも気を付けなよ?
幸村達は敵なんだし…」

ジャッカル「ああ、分かってる。
俺達も黙っている訳にはいかねぇからな。」

憂夜「雅治、我慢の限界だったら言えよ?
青学に転入させてやっから。」

雅治「おう。
そん時はカルも一緒だろ?」

ジャッカル「雅治がいねぇのに、俺1人で通えっつーのか?」

雅治「んな訳ねぇじゃん。
俺らは常に一緒だろ?」


雅治がカルの肩に腕を回しながら答えました。


ジャッカル「当たり前だろ。」


それからは、くだらない話をしながら手術が終わるのを待ちました。


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