株式会社境界商事
□第2章
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パーティー当日
一穂は幽々子とよく合う和服に身を包み
「こーりん?」
こーりんはウェイターになっていた
「似合う?」
半泣きで言われてもというふうな感じ
「では、妖夢、白月行ってくるわ」
幽々子は外に待機する2人に手を降る
妖夢と白月は幽々子の姿が見えなくなると車で待機した
「義兄さん」
「わかってる、何かあるさ。今夜はな」
「白月はサボりが多いからあてにならないの」
幽々子はそう言っていた
パーティー会場では2人は歩き回ることなく、グラスを片手に隅にいた
「…やっぱり、視線が痛い」
一穂は先程から自分を見てはサムライ、と感動する外国人VIPに恥ずかしさを抱いていた
「周りの目など気にする必要はないわ」
幽々子は言うが、そうもいかない男心
ふと、会場を見ると軽快なステップで皿を運ぶこーりんがいた
「彼、すごいわね」
幽々子と共に目で追うと、こーりんは急停止してひざまづいている
会話は聞こえなかったが、どこかの姉妹と話していた
しばらくして、護衛の大きな声が幽々子たちにも聞こえた
「無礼者め、綿月様に何をするか」
綿月…
どこかの皇族か何かで聞いた名前だ
そんな人々も参加しているのか、と一穂が考えているとふと、会場の照明が落ちた