記念リクエスト
□今、伝えに行きます
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「鬱陶しいわッ!!くそ駄目教師がぁぁ!!!」
「ぬぐあぁぁぁぁぁ!!!!」
鈍い音が3Z前の廊下に響き渡った。放課後の為回りに人は少なかったが多少の人数はびっくりし目を見開いている。
「毎日鬱陶しいんだよ!!」
「高杉!銀さんの話聞いて!!つうか返事―…」
「…ッ!?…思い出させるな!!」
「だばぁぁぁ!!!」
廊下に倒れて足を掴む銀八に片方の足で蹴りあげ高杉は一目散に去って行った。
あー、まぢ痛い。
良い年こいて鼻血っておぃ。
たくッ、高杉も手加減知らないのな。
でも、俺はそんな君が大好きなんです。
†今、伝えに行きます†
先週ぐらいに銀八は生徒である高杉に思いを告げた。…と言うより相談相手の坂本と話ていると高杉に聞かれてしまった、と言った方が良いだろうか。聞かれてしまったのならと銀八は勇気を出して言おうとしたのだが、高杉に逃げられてしまいそれからは、視線を合わせてくれずしかも銀八に近付こうとしなかった。
「はぁぁぁ…」
「銀時ぃ、諦めい。相当嫌われてるきに」
「誰のせいだよ、誰の!」
「あっはっはっは!!失敗は…」
「言わせねぇよぉぉ!!?成功の素、とか言わせねぇよぉぉ!!?」
銀八は坂本に向かって怒鳴ると再びふざけた笑い声が喫煙室に響き渡った。
「なぁ、晋助??何で最近銀八を避けてんだ?」
「ッ!?…てめぇには関係ないだろ!!トシッ」
「気になりまさぁ!何かありましたねぃ??」
「何もねぇよ!!」
高杉は耳にイヤホンをつけ周りの声を一切拒否し、そっぽを向いた。何を言ってるのか分からないが土方と沖田が口を動かしているがそれも無視っていると紙切れに何か書き始め「もう何もいわねぇから無視すんな」と書いてあり高杉は溜め息をつきイヤホンを外した。
「やる事がすげーな、お前」
「るせッ!バカ方!!」
「いやいや、俺だけかよ!?」
「土方だけだよ。ついでに死んじまえ。」
「総悟ぉぉぉぉぉぉ!!!!」
銀八を避けてるようになったのは、銀八が俺を好きなのだと分かってからの事だ。意味が分からなかった。まず俺は男だ。銀八も男だ。それを聞いた時は気持ち悪い…とは思わなかった。反対に緊張した。だから逃げた。
「………」
「………」
「高杉くーん。ちょっといいかな??」
「どちら様ですか?知らない人に話かけられても相手にしちゃいけないって昔誰かに習いましたので」
「棒読み?!しかも、言うスピード速ッッ!!つうか、知らない人って酷くない!?」
「俺はお前と話す事なんざねぇよ」
「少しぐらい話してくれたって良いじゃん!」
ブーブー言う銀八を無視して教室を出ようとしたが銀八に腕を掴まれ、キッと睨むと困った表情で銀八が高杉を見つめていた。
「そんなに俺を避けないで欲しい…」
「…ッ!放せ、バカ野郎!!」
勢い良く振り払い高杉は教室から出ていった。銀八はというと振り払らわれた手が地味に痛くて苦笑しその手をぐっと握り締めた。
「…ち。なんなんだよ、あいつ。何かあんな顔されたらまるで俺が悪ぃみてぇじゃねぇか」
あんな顔すんなよ…。てめぇにはそうゆうの似合わねぇよ。って!!!何思ってんだ俺はッ?!馬鹿じゃねぇの!?
高杉は屋上を目指し足を運ばせた。屋上に着くなり涼しい風が高杉を包み込む。空を仰ぐと雲が無く青空が広がっていた。ゴロンと寝転び高杉は夢の中へ少しずつ入り込んでいった。
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