記念リクエスト
□壊れた俺と儚い君
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『なぁ、晋助。兄ちゃんの事好き??』
『好きだよ??当たり前じゃないか』
『そっか。だったらさ―…』
お前は忘れただろうか。
あの日の事を…忘れただろうか。
†壊れた俺と儚い君†
銀時は、銀魂高校の高校3年生だ。銀時には高校2年生の弟がいる。晋助と言う名前で、普通の男性より一回り小さく何より肌が女性みたいに白い。全く銀時と似ておらず周りからは本当に兄弟なのかと言われない事なんて一度もなかった。そんな彼を銀時は好きだった。兄弟として好き、ではなく恋愛関係での好きだ。
「おーい、多串くーん」
「だから、土方だって前々から言ってるじゃねぇか!!!…なんすか??」
「晋助知らね??」
「晋助ならコレと一緒だろ。中庭の花壇に行ってみればいると思いますよ」
「……あ、あぁ。サンキュ」
晋助に会う為に、昼休みクラスに訪れた銀時だったが姿が見えず仲の良い土方に聞いてみると土方は教えてくれた…のだが、"コレ"と言い小指だけを突き上げた。高校生では、それは"彼女"もしくは"彼氏"と言う意味を現している。
たく、多串め。いつもの仕返しで嘘つきやがって。銀さんはそんなのに騙されません!!!
「中庭の花壇って此所ら辺だったよなぁ……とぉ??」
通り過ぎようとしたら見覚えのある後ろ姿に一歩下がった。あれは、紛れもなく晋助で一人でいた為、やはり土方の嘘だと分かり近寄ろうとした銀時だったが横から女性がやって来て、晋助の隣に座った。金髪の可愛い女性であった。
「晋助様、遅れました」
「別に良いけどよぉ、その"様"付けと敬語はやめろよ。同級生だろ?」
「…はいっす。では、改めて遅れてごめんっす、晋助」
「おぅ。隣に座れよ、また子」
照れた表情で笑い晋助の隣にそっと座るまた子と微笑む晋助。銀時は、その二人を黙って見ていた。そして、頭の中で何かが切れた小さな音を銀時は聞いた。
あぁ…。出来たら知りたくなかった…。
お前に付き合っている女の子がいたなんて。
「ただいま…」
「お帰り、晋助」
「…何だよ銀時??お前が出迎えるなんて珍しいじゃねぇか」
ガチャリと玄関の鍵を閉めた晋助は靴を脱ぎ居間へと歩いて行った。晋助が銀時の横を通り抜けたときに香水の匂いが銀時の鼻につく。
あぁ…これはきっとまた子ちゃんの香りかな??女の子ってわりとキツい香水つけるけどこの子は違うみたいだなぁ。匂っても変な気分にはならない…。でも…
それが苛つくんだよ…。
銀時は、先に居間に入り鞄を下ろした晋助を後ろから押しソファに倒した。
「…ッ、痛ぇな!!何しやがる!!」
「……可愛かったね。晋助の彼女」
「…知ってたのかよ」
「今日の昼休みにね」
「なんだ??弟に先越されて悔しいのか??」
違うよ…。女なんて興味ないし。俺が興味あるのは…お前だよ、晋助。
「お前にもそのうち出来るだろ、それに…」
「キス、してたね」
「……?!」
バッと兄である銀時を見上げると赤く鋭い目が細くなり笑った。だが、目が笑っておらず晋助は背筋が固まるのを感じた。晋助は、何故知っている?という表情をしていた。
銀時は、二階の窓から二人の様子を見ていた。家まで送ろうとしていた晋助をまた子が遠慮しているのだろうと話が聞こえなくても分かった。晋助も諦め少し背が低い彼女にキスをしまた明日と言い別れたのだった。
「てめぇには関係ないだろ…。出来ねぇからって八つ当たりすんなよ」
「ハッ…ハハハハ」
「ぎ、ん…とき??」
「っとに、どうしてお前っつー奴は俺のS心を揺さぶるかなぁ」
「……は?」
あぁ…そんな"幸せ"俺がぶち壊してあげる。
だって、俺晋助好きだし。無理矢理でも手に入れたい訳…意味分かるかな??
銀時は、ゆっくり晋助に近付いくにつれ晋助は顔色がだんだん悪くなりソファから逃げようとしたが銀時に押し倒され馬乗りにされた為逃げる事が出来なくなった。
「銀時!!てめぇ、一体なにがしてぇ?!いい加減にしろよ!!」
「わざわざ言わさなくても分かってるくせに…」
「わからねぇから言ってんだろ!!」
「気持ち良い事するの。…これで分かったかな??晋助くん」
言うが早く銀時は、晋助のネクタイを勢いよく解き頭上で一纏めにしくくり付けた。晋助は、一瞬の出来事で唖然としていた。実の兄が自分に何をしているのか全く理解出来なかった。
「好きだよ…晋助」
「…な、にバカな事言ってんだよ??コレ、ほどけよ?!」
もともと第一釦を開けていた為白い肌が丸見えになりネクタイを取った事で乱れていた。その釦を一つずつ外していく銀時に晋助はやめろ、と叫ぶばかり。
「俺は、本気だよ。晋助」
「ふざけるなよ!!目ぇ覚ませ!銀時ッッ!!!」
「……お前が悪いんだよ??」
俺の想いに気付かないで女を作るから……。
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