記念リクエスト
□下剋上には度胸がいる
1ページ/1ページ
「銀時、いるかぁ??」
「こ…こんにちは、高杉さん」
「よぉ、何かあったか??顔色悪ぃけど」
それが…と口をくぐもらす新八に首を傾げていると神楽が向こうから小走りで高杉の元へやって来た。
「杉ぃ、いつ来るかと思ったアルww」
「前に言っただろ、1ヶ月後の月曜に来るってよ」
「そうだったっけ?」
可愛らしい笑い声をあげる女の子に微笑み頭を撫でてやった。
ホントにこいつ等には癒される…。
最初は、アレだったがこうやって出迎えてくれる事が嬉しい。普通ならこの二人の後ろにあいつが立ってる筈なんだけど…。
「なぁ、銀時は??」
「そうでした!高杉さん大変なんですよ」
「……は?」
「……にゃあ」
にゃあ??と高杉が言い足元を見ると白い猫がいた。猫でも買ったのかと思い抱き抱えると鼻先を舐められた。
「人懐っこい猫だなぁ」
「それ…銀さんなんです」
「…冗談キツいぜ??」
「杉ぃ、真実アル」
「……へ?!」
少し毛癖のついた猫がニタリと笑う様子が銀時に似ていた。
「ぎ……銀時??」
「…そうだよ」
「しゃ…しゃ、喋ったぁぁぁぁぁあ!!?」
†下剋上には度胸がいる†
高杉はソファに座り水タオルを額に当てていた。そして、「銀時が猫に…」とか「猫が喋った…」と何度も呟いていた。
「…で何でそんな姿になったんだよ、銀時」
「いや〜、坂本の糞馬鹿が酒送ってくれてよー、飲んだらこんなんになっちまってぇ」
「…新八。この馬鹿が飲んだ酒、ちょっと持って来い」
「まさか銀さんに気を使って―…」
「なわけねぇだろ、天パ」
ショボンとなる銀時をほっといて新八は高杉に言われた通り銀時が飲んだ酒を持って行き高杉に渡した。高杉は、見るなり噴出し笑った。
「クク、辰馬の奴に遊ばれた様だな、銀時ィ」
「…え」
「これ見ろ。"鬼嫁"って書いてあるのを剥すと"猫酒"って書いてあるぜ」
あ"っと2人と1匹の声が重なった。どうやら、"猫酒"と書かれている紙の上に"鬼嫁"の紙をはり、銀時が疑わずに飲んでしまったようだ。
「あんの毛玉ぁぁぁぁッッ」
「昨日飲んだのなら明日の夕方5時ぐらいに戻るだろうよ」
「ホントですか!!高杉さん」
「あぁ。そう書いてある」
良かったぁと新八と神楽が安堵の溜め息をつく。安心したのか二人は買い物に言って来ると定春を連れて万事屋を出ていった。
「はぁ…猫っつーのは退屈だなぁ」
「猫が喋るとキモいな」
「うん…目から何か流れてきた」
ククと笑い煙管を口に咥えると何か閃き、じ〜っと銀時を見つめた。銀時は、視線を感じ高杉の方に目を向けると目が合う。高杉は、怪しく笑い始めた。
「銀時…退屈っつったよな??」
「お…おぅ」
「ふぅん…」
そう言うと高杉は立ち上がり万事屋を一旦出て行き、再び戻ってきた。銀時は首を傾げ高杉を伺っていた。
「晋ちゃん??」
「ぎーんとき」
「…へ??…な!!?」
銀時は、口をポカーンと開けたまま高杉が持って来たあるモノを見ていた。万事屋から出てスナックお登勢の近くに生えているモノ。そう…「ねこじゃらし」だ。
「ほーら、ねこじゃらしだぜ」
「フ、銀さんがそんなのに遊ぶ訳ないでしょ」
「ヘー、いらないのか」
高杉がねこじゃらしをぶら下げたまま右に揺らすと銀時は、あ!と言い両手で捕まえようと飛び跳ねてしまった。さらに、左へと持っていくと追うように飛び跳ね、ねこじゃらしで遊ぶ銀時に高杉は口を手で覆い笑いをこらえていた。それに気付いた銀時は、ハッと我に返った。
「高杉ィ!!お前コノヤロー!!!」
「クク、猫になってんだ。仕方ねぇよ」
「だからって何すんだよ!!」
「てめぇがセックス激しくすっからその時の仕返しだ、馬鹿」
「晋ちゃんがセックスって言うとエロいんですけど…ってそんなの関係ねぇぇぇ!!!」
「ホーラ、ホーラ」
高杉が再び左右にねこじゃらしを振ると銀時は遊び始めた。糞ぉと言いながらも止めれずにいる銀時に高杉は笑っていた。それだけでは、高杉のいたずらは終わらない訳で高杉は台所へと消えて行き、ガサゴソと何かを荒らし持って来た。
「ぎ〜ん、次はコレだ。猫がそれの次に好きな遊びだ」
「…!?」
床に置かれたモノは、"猫酒"を飲むのにつまみに食べた魚の骨だ。銀時は、体がウズウズし絶えきれず生ゴミの上でゴロゴロと転がり始めた。高杉はというと、声を出しながら笑い腹を押えていた。
「(高杉の奴ぅぅぅ!!)」
「銀時〜、次はなぁ…」
「もうやめてくれー!!!」
夕方になり、高杉は気がすんだらしくソファに座っていた。銀時は、疲れ果てて床に伸びていた。真っ白だった毛も今は汚れ毛癖はくりんくりんになっていた。
「さて…そろそろ帰るか。銀時…ククッ、ちゃんと綺麗にしとけよ」
「お前なぁぁぁッ!!」
「明日戻るんだ…我慢しろ」
「……」
銀時は、立ち上がり玄関に向かう高杉の後ろ姿を見、次は時計を見た。午後4時59分40秒。銀時は、トテトテと高杉の所まで行くと、それに気がついた高杉が振り向く。
「なんだよ、見送ってくれるのか?」
「…あぁ」
45秒…46、47…
銀時は、心の中で秒数を数えていた。高杉が、男とは思えない綺麗な手で頭を撫でるとドアと向かい合い、じゃあなと言った。
57…58…
高杉が手をドアに当てた直後、後ろが明るく光った。何事かと後ろを振り向くといつもの銀時が高杉を見下ろしていた。
「…え、なんで??」
「だって昨日じゃなくて一昨日飲んだもん」
「そんなの教えてねぇじゃねぇか」
「うん…さぁて」
「あ…あぁ、帰るわ」
急いで出ようとするが鍵を掛けられた。銀時の顔をみると、笑っている。が、まるで頬に怒りマークがあるみたいだ。高杉も苦笑いをした。
「しーんちゃんww」
「…は、はい」
「 お 仕 置 き vV 」
「まッ!!待て、銀―…」
問答無用!!と銀時は言い、ぎゃあぁぁぁぁ!!!と万事屋に叫び声が響き渡った。
*おまけ*
「…ん??」
「どうしたアルか??」
「神楽ちゃん僕ん家に行こうか」
「どうしてヨ?」
コレ見てと指差された場所は、ドア。ある紙きれが貼られていた。銀時が貼ったものだ。
"お取り込み中。立入禁止!!"
*fin*
----------
名無し様、お待たせしました!!!
銀さん猫化完成しましたがどうでしたか??
銀時にいたずらした高杉を書いて見たくて思い付いた話なんですが、楽しんでもらえたら嬉しいですww
リクエストありがとうございましたvV
11.16 冬夜