記念リクエスト

□イチゴの気持ち
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「たーかすぅぎぃせ〜んせ〜…」

「やっぱり来やがったなッ!!!仮病大魔王があぁぁぁ!!!」

「いぎゃあぁぁぁぁ!!?」







†イチゴの気持ち†







10時30分、必ず銀八が保健室に来る時間。来た瞬間、高杉は銀八に回し蹴りをしたが毎日の事に慣れた銀八にスンナリかわされてしまった。





「つうか、彼氏に向かって毎日回し蹴りとか何様ですかコノヤロー!!」

「るせぇ!!毎日此所に来るてめぇに言われたかねぇよ!!」




そう、銀八と高杉は付き合っている。去年の夏、銀八から告白を受け高杉は照れながらも告白に頷いたのだった。付き合ったものの高杉は銀八が保健室に来る回数に呆れ始めていた。だけど、心の何処かでは嬉しいと感じている。




「てめぇ授業はどうした!!?」

「えっとねー」

「サボり、っつーんじゃないだろうな」

「(…ギクッ!)な訳ないじゃん!!」

「ホントかぁ!?お前が休む度此所くるから校長にあーやこーや言われるんだからな!」

「ハハ…すみません」




たくっと溜め息をつき、で、何の用だ??と聞くと銀八がニコッと笑う。それだけで高杉は、口を固く閉じ顔を赤くさせた。




「晋助…好きだよ」

「俺も、愛してる」

「超愛してる!!」

「宇宙一愛してる」




銀八は、ニコッと笑ったまま片眉をピクピクと動かしていた。高杉も、ニヤリと口元をつり上げた。




「なんでいちいち俺より上に行くかな??」

「何となくだ。気にするな」

「気にするなって…」




ククと笑いながらパソコンに目線を落とした。銀八はその様子を愛しそうに見つめた。その視線に気付いたのか高杉は再び机の前にいる銀八を見上げる。数秒、視線を交合わせ高杉が目を閉じる。高杉がキスを求めるのは珍しい事であり、銀八はふんわりと笑いキスしようとした……が!!




「杉ぃせんせー!!!」

「「―…!!?」」




勢い良く入って来たのは銀八の生徒、神楽。
二人は固まり冷や汗をかいていた。その様子を見て神楽は、何してたアルか??と言いたそうな顔をしており、結局神楽は口にした。




「何してたアルか??銀ちゃんに杉ぃ先生」

「ちょっとパソコンの調子が悪くてな、銀八に見て貰ってたんだよ」

「…そうそう」

「ふーん」

「つうか、杉ぃじゃなくて高杉先生ね、神楽ちゃん」

「杉ぃのほうが可愛いヨ!!」

「(か…可愛いか?)で、どうした??」




紙で指切ったとの事で高杉は笑い、椅子から立ち上がって神楽の手当てをし始めた。




おのれ、糞チャイナぁぁぁぁぁぁ!!!
せっかくの良いムードをぉぉぉぉ!!!!
せっかくのキスをぉぉぉぉ!!!!
紙で指切ったぐれぇで来るんじゃねぇよぉ!
確かに切れたら地味に痛いけどよ!!!




銀八は、奥歯を噛み締めながら神楽を恨む感じで見ていた。丁度神楽の手当てが済んだようで神楽が保健室から出て行き自分のクラスへ戻っていった。




「たく、やっと出ていきやがったか」

「てめぇも早く出てけ」

「…そんな悲しい事言うなよなぁ」

「……」




高杉は、さっきのとだいぶ違い仕事に取組んでしまった。銀八は、むぅっと頬を膨らました。集中してしまった高杉に何言っても相手にしてくれない事を銀八は知っている。軽く溜め息をつき銀八は、ドアに向い振りむいた。




「じゃあ、昼ご飯のときな」

「……あぁ」




目線はパソコン画面だが手をあげ、返事をした。銀八は苦笑し保健室を後にするのだった。





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