記念リクエスト
□Your Answer?="Yes"
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「今から、三人で遊びにいかね??」
「……は?」
A組にB組の銀時が土方に会いに教室へやってきた。そして、銀時が言った言葉に口を開ける土方。土方は、誘われた事は嬉しいがあと一人は誰だよ、と思っていたがなんとなく予想はついた。
「もう一人って晋助、か??」
「そうだよww俺の可愛い弟とだよvV」
「…そうか」
「捕っちゃダメだからな」
「誰がとるかッ!!!」
俺が欲しいのはお前だっつの…。
あんな…あんな弟なんかいらない。
土方は、同級の銀髪天然パーマ、銀時の事が好きだ。だが、そんなのも叶わない訳である。銀時は、弟の晋助を愛している、誰よりも。土方も分かっていた事だが、以前銀時と帰ってるときに言われたのだった。
『俺…晋助が好きなんだ』
好きな奴いるのか?とそんな話題も出していないのに、唐突に言われた言葉。何でいうんだ?と土方が問うと銀時はちょっと照れくさそうに笑う。
『何か隠すのも悪いと思ってさ。ホントの事は"親友"には言っておこうと思ってよww』
普通だったら"親友"と言ってくれるのは嬉しいはずなのに土方は胸が痛くなったのだった。
「で、行くの??行かないの?!」
「カップル同士で行けばいいだろ」
「晋ちゃんが土方とも久し振りに遊びたいんだってよ」
「晋助がか??」
「おぅ」
土方は心の中で軽く舌打ちをした。土方にとっては良くない事であった。好きな人がイチャつくのをあまり生で見たくないからだ。
「遊ぼうぜ??…なっ」
「……わあったよ」
銀時の笑みに折れ俺は遊ぶ事を承諾した。
それが、いけなかったんだ……
†Your Answer?= "Yes" †
「晋助〜」
「…ん??」
晋助が振り向くと銀時と土方がこちらに向かっており銀時は片手を振ってやって来た。晋助は目を輝かせた二人の元へ走り出した。
銀時が、晋ちゃーんっと両手を広げ待構えていると晋助は銀時を通り過ぎていった。
「トシ、来てくれたんだなッ」
「え、ぁ??……あぁ」
「……えぇぇぇぇぇ!!何で多串くんに抱き付いちゃってんのぉぉぉ!?晋ちゃんの彼氏は、ここッッ!!」
「だって久し振りにトシに会えたんだぜ??別に良いだろ」
「良くない!!!良くない、良くない、良くな…」
「それ以上叫んだら嫌いになる」
「……………」
ぎゃあぎゃあ騒いでいた銀時だったが晋助の言葉で静まり返った。さっきと比べて口を固く閉じている。土方は、苦笑しながら見ていた。すると自分の名前を呼ぶ晋助の声がして視線を晋助へと移動させた。
「ありがとな、来てくれて」
「いや…気にするな」
ニコッと笑うと銀時の方へと歩み寄っていった。土方は、その後ろ姿を羨ましそうに見つめていた。しかし、羨ましく感じていた思いもなくなり憎しみへと変わっていってしまっていた。
いなければ…
コイツサエイナケレバ―…
「…何怖い顔してんの??置いて行くぜ??」
「悪い…今行く」
土方は、瞼を閉じ返事をした。そして、少し先にいる銀時と晋助の元へと足を運ばせた。
三人はゲームセンターや服屋を周り夕暮れとなり始めて最後に甘味屋によった。銀時は、クレープを買いに店に行った為、今は土方と晋助は二人きりだ。晋助は、ベンチに座り先程銀時にとってもらったデカいジャスタウェイのぬいぐるみを嬉しそうに抱き抱えていた。土方はその様子を横目で眺めていた
「突っ立ってないでトシも座れよ」
「……」
「……トシ??」
「何でお前なんだよ…」
「え?」
キッと晋助を睨むと晋助はビクッと肩を揺らし目を見開いた。土方が初めてそんな目で自分を睨むのにびっくりしたからだ。同時に初めて土方が怖いと感じた。
「何で銀時はお前を選んだんだろうな」
「…なんだよその言い方」
ムッとし晋助は土方を見つめる。銀時が戻ってくる気配はない。未だ向こうで並んでいるとストーカーである猿飛に出会ってしまっていた。
だめだ…。
言っちゃダメなのに…。
口が止まらない、我慢ができない。
「お前のどこを好んだんだろうな、あいつ」
「急に何言い出すかと思えば何だよ!トシらしくない。俺たち友達じゃねぇか」
「友達??悪いけど俺はお前を友達だと思った事ない。逆に邪魔だった」
「―…ッ!?」
「俺はずっとアイツが好きだったんだ!!!なのに、お前はいつも二人で遊んでる時に邪魔してくる、ずっと嫌いだった、お前の事が!!」
晋助は目を見開き、抱いていたジャスタウェイが落ちそうになり、綺麗な緑色の目は涙目になっていた。
「…お前が俺の事嫌いなのはよく分かった」
「……」
「だけど…銀時は渡さねぇ!!トシにどんだけ嫌われようと俺は譲るつもりはない!!」
キッと土方を睨むと土方は軽く舌打ちをし、溜め息をついた。頭を掻きホント…と言い地面から晋助へと視線を移した。
「お待た…」
「お前なんていなかったら良かったのに…」
「……ッッ」
ザァッと風が吹き三人の髪を揺らす。三つのクレープを持った銀時がやって来たが言葉が止まらず言わずにおこうとした誰もが傷付く言葉を土方は言ってしまった。取り返しがつかない事をしてしまい土方は息を呑んだ。晋助は、泣くつもりはなかったが今まで友達だと思っていた土方にそんな事を言われ溜めていた涙を流してしまった。
「し、晋助!?大丈夫か!!」
「…ッぎ、ん」
クレープを側にあった机に投げ捨て晋助の所へ駆け寄り隣に腰掛け抱き寄せた。声を殺して泣く弟におどおどしながらも土方を冷たい目付きで睨んだ。
「土方…お前何してんの??ねぇ?」
「……ッ」
「正直傷付いた。親友と思ってたのによ…」
「……」
「…こんな奴だと思わなかった」
「……あぁ。俺はこうゆう奴だ」
「…悪いけどよ、どんな理由があろうと弟泣かすの許せねぇんだ。当分、会いたくない…」
ズキンと胸の奥が痛くなり土方は軽く顔を歪ませた。分かりきった事だ。傷付く言葉で晋助を傷付けてしまったのだから。銀時の目から目を逸し小さく謝り銀時たちから背を向け、歩き始めた。
何であんな事言っちまったんだ…。
最初からなかった…俺が何も言わずに黙っていられる自信がなかったんだ。それを承知で誘いにのった。こんな事になるくらいなら行かなければ良かった。
土方は、一人人気のない道を歩いていた。鞄の中に入っているものが歩く度にゴトゴトと音をたてている。ポケットに手を入れ携帯を取り出し、アドレス帳を開き「さ行」を開く。
多分、もう話さないだろうし会うこともない。廊下ですれ違う、そうゆう関係になるだろうな。
"「坂田銀時」を削除しますか?"
"はい" "いいえ"
俺がお前を想うのは迷惑だろうから…
すべて削除しよう。
Your Answer?
"Yes…"
*fin*
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名無し様お待たせしました!!
「俺とお前と憎い弟」の続編完成しましたww
あまり良い作品になりませんでしたが少しでも楽しんで頂けたのなら有り難き幸せですvV
12.9 冬夜