記念リクエスト
□悪人と良人の考えは同じ
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『また、おめぇかよ』
「ねぇねぇ、晋助くーん」
『仕事は分けねぇよ』
「酷いッ!!人が家賃にピンチで仕事もないのにぃ!!」
『家賃も仕事がねぇのもいつもの事だろ』
「それ言うか?!普通!!」
『切るぜ??俺ァ、依頼があんだよ』
「ちょっ…晋ちゃ」
―…ブチッ、プープー
まじで切りやがったぁぁぁぁ!!
案外、傷付くぅ!!なんだい、なんだい!!!少しぐらい仕事分けてくれたって良いじゃんか!
「晋助の馬〜鹿!!そして誰か依頼しに来て!」
†悪人と良人の考えは同じ†
「銀さーん」
「銀さんは今いませーん!!今、心の傷を負って立ち直れないから無理ぃぃぃ!!!」
「何言ってるんですか!依頼人っていうのに」
「依頼人!!!?」
銀時は、ライバルである高杉晋助に電話を切られショックを受けていた。高杉という人物は、銀時の愛人である。此所"万事屋銀ちゃん"から結構離れた場所に"万事屋晋ちゃん"でオーナーをしている。切られたショックのあまりソファにだらしなく座っていた銀時は、"依頼人"という言葉を聞いてビシッと立ち上がった。久し振りの依頼にびっくりしたのだ。
「今よろしいですか??」
「あぁ。どうぞ」
依頼にきたのは男性と女性で夫婦だと銀時は分かった。二人をソファに座らせ、新八にお茶を淹れるように指示をした。神楽は、今日いつも依頼がないため新八の姉:お妙と一緒に買い物に出掛けてしまい新八と銀時の二人だけなのだ。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
「で…依頼っつーのは??」
お茶を淹れるのに慣れている新八は、二人にお茶を差し出し銀時の隣りに腰をかけた。二人は、顔を見合わせ口ごもっていたが夫である男性が口を開いた。
「実は…娘が人質にされてしまったんです」
「―…!!」
まじかぁぁぁ!!!
なんかプレッシャーかかる依頼じゃねぇか!
失敗は出来ねぇな…。いや、しないけどねッ!!
「それはいつ頃なんですか??」
「二日前です…。こんなモノがポストに入っていました」
新八の質問に女性が答え銀時に、紙切れを渡した。汚い字でなぐり書きされていた。そのなぐり書きされた文章に銀時は目を通した。
『娘を返してほしければ莫大な金を用意しろ。時間は、2日やる。もしこなければ娘の命はない。真選組にも伝えてもダメだからな』
まぁまぁ、何処の馬鹿も書く文章は似てんのな。みんな、同じ脳みそなのか??
下の方をみれば、そいつ等の隠れ家なのか、地図が書かれていた。銀時は、真選組にバラすなっつっても内緒でやりゃあ、即逮捕じゃねぇか。真選組(アイツ等)結構バレずに突撃すんのうめぇし…。相当馬鹿だなこいつ等。なんて事を思っていた。
「「分かった…その依頼引き受けるぜ」」
一方高杉も、銀時同様同じ事を言っていた。
高杉が営業する万事屋は、銀時と違い依頼もよくくる。そのため、あまり銀時に会えないのがいやであるが仕事だから仕方がない。
「晋助、良いのでござるか??依頼人は小さな子供なのだぞ??」
「良いじゃねぇか。家族思いでよ。万斉、おめぇ餓鬼には優しくすんのは当たり前だろ」
「そうっスよ!!見る目がないっスね、サングラス外せば?!そしたら、見えるっスよww」
「苛めでござるか??また子殿」
高杉に依頼してきたのは、大人でもなくましてや十代の子でもない。8歳の可愛い男の子である。勿論、お金などあるわけがない。高杉は、子供の所まで行き頭を撫でた。
「俺らは今からお前の言った通りに動く…。お前は、戻っておくか??それとも、此所で待っておくか??選べ…」
「…僕も一緒に行く!!」
「…なッ?!これは遊びじゃないでござるよ!!」
「知ってるよ!!でも、僕だって"男"だ!!」
「…言ったな。後戻りするなら今のうちだぞ」
高杉は、子供を見下ろし尋ねた。一瞬強張ったが、キッと高杉を見つめた。高杉は、目を瞑りククッと笑った。再び子供の頭をグシャグシャと撫でた。
「分かった、来い」
「んなッ!!し…晋助!!」
「万斉…おめぇ少しは落ち着け。依頼人が行きたいっつーんだ、別に良いだろ」
「だが、危険すぎる!!」
「俺たちが守ればいい話だろ??頭を使え」
「全く相変わらずダメっスね、武市先輩同類」
「また子殿の言葉は針のように貫くでござるな…あー、痛い」
高杉一行は、万事屋を出て依頼を果たしに出掛けて行った。勿論、銀時たちも同じ時刻に家を出たのだった。
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