記念リクエスト
□ Look at me !!
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何??ビックリ大成功でも狙ってんの??
んな訳ねぇだろ。失礼だなてめぇ
だって多串くんが奢ってくれるなんて珍しいじゃん
いらねぇんなら食わなくてもいいんだぜ??
じゃ、遠慮な〜く。食べたらとっとと帰るからな!!銀さんの大事な人と約束してっから!
あぁ…
いただきまーすww
帰れたら……な。
† Look at me !! †
「…遅い」
「遅いですね、銀さん」
「晋助が来たというのに最低ネ」
此所、「万事屋銀ちゃん」はテロリスト:高杉晋助の恋人坂田銀時の家である。今日は、会う約束で高杉が来たのだが銀時の姿がなく苛立ち気味だ。
わざわざ来てやったっつーのにアイツ…。
待たせるたぁ良い度胸してんじゃねぇか…!
八つ裂き決定だな…。いや、いっそ三途の川に送ってやろうか。
ダンダンと床に八つ当たりをしている高杉に、神楽と新八は相当キレていると分かった。さて…どうしたものか、と顔を見合わせる。すると、高杉は少しでも苛立ちを消す為に煙管を取り出しスパスパ吸い始めた。それにも関わらず神楽は高杉の隣りに座った。新八は不安そうに玄関を見つめた。そして、数分前に出掛ける銀時の表情を思い出していた。
『あれ、銀さん何処行くんですか??』
『ん??あー、コレを多串くん等に届けにな』
『高杉さんそろそろ来ちゃいますよ』
『仕方ねぇだろ、仕事なんだから。ま、晋ちゃんが来るからにはすぐ戻って来るけどねw』
『早く帰って来て下さいね』
『おぅ!!』
確かに、そう言ったんだけどなぁ…。
どうしたんだろ、銀さん。
「たく、アイツ何処行ったんだよ?」
「そうですねぇ…(高杉さんには銀さんが真選組屯所に行った事は黙っておこう)」
「銀ちゃんは、真選組にいるヨ」
「……」
「(神楽ちゃぁあぁぁぁあぁぁんッッ!!!!)」
新八は、ダラダラと冷や汗を垂らしながら高杉に首を向けた。すると、高杉は持っていた煙管に力をいれバキッと折り曲げ、…へぇ、っと呟いた。その顔には"ブッ殺す"という文字が書かれている。
「じゃあ、迎えに行ってやらなきゃなぁ…」
「……え゙??」
「晋助優しいアル!!銀ちゃん、幸せ者ネ!」
「だろぉ…」
「(高杉さんん!!凄く怖い笑みなんですけどぉ!!!銀さんが悪いけど銀さん逃げてぇ!)」
―…ガラァ
「皆の銀さんが帰ってきましたよぉ」
帰って来やがったな…と呟き高杉は、立ち上がり玄関へ向かう。神楽と新八もその後に続く。
「銀時ィ、てめぇ今まで何やってやがった」
「新八お茶用意して。俺のお客さん入るから」
「銀さん…??」
「邪魔するぜ」
「…ッ?!ひ、土方十四郎!!!」
銀時の隣りから出て来た人物は、高杉の敵である真選組鬼副長・土方十四郎であった。
高杉は一気に殺気を漂わせ刀に手をかける。
すると、土方はククと笑いだし、やっぱりか、と呟いた。高杉は、銀時が何故土方を呼んだのか考えていた。まず、様子がおかしい。
「安心しろ。今日は、お前を捕まえる気なんてサラサラない」
「おや??鬼副長と呼ばれているお方が仕事サボんのかぁ??関心しねぇなぁ」
「…はいはい、はい!!銀さん忘れないで!…つかよぉ、高杉ィ…」
高、杉…?
いつもは、"晋助"か"晋ちゃん"っつーふざけた呼び方するはずだ…。
久し振りに銀時に「高杉」と呼ばれ高杉は銀時を見つめた。明らかにいつもの銀時と違う。嫌な汗をかく。
「…銀、時??」
「……何でおめぇ此所にいんの??」
「―…ッ?!」
何とも言えない冷たい目付きに高杉は、顔を歪ませた。まるで、敵となった気分だ。
銀時自身に拒否られ高杉は、一歩後ろへよろめく。
「銀さん!!何ですか、その言い方!?銀さんらしくないですよ!!」
「そうヨ!!自分から誘っといて、そんな瞳孔野郎とニャンニャンする気アルか!!?」
「えー??俺、呼んだっけ??」
「……」
「悪いな…高杉。コイツは、もうお前の事好きじゃねぇぜ」
ニヤリと笑う土方に、高杉はギロッと睨む。
何処から流れた情報なのか、土方にバレていた。高杉は、グイッと土方の胸倉を掴みあげるが、銀時に遮られた。
「高杉、銀さんの大事な人に何する訳?!俺、多串くんを愛してんの!!」
「…銀時!!」
「誰がお前を好きになんだよ。テロリストなんざと」
「―…ッッ!!?」
「分かったら出てってくれる??」
高杉は、頭を鈍器で殴られた気がした。
これ以上、何も言われたくない高杉は、二人の間わ通り抜けて行った。神楽と新八が呼び止める声にも今の高杉には届かなかった。高杉が万事屋から出たあと、銀時は土方を家の中へと導こうとすれば、神楽に蹴りを入れられ、新八は銀時から木刀を奪い銀時を叩きのめした。
「見損ないましたよ、銀さん!!!」
「晋助が可哀相アル!!もう銀ちゃんなんか嫌いヨ!!!何日間か休暇貰うネ!!!」
「僕もです!!」
ダッと走り出し高杉が歩いて行った方向へ走って行く。銀時は呻き、何で、銀さん殴られた?と呟いた。土方は、フッと笑い銀時に手を差し出し立たせる。
「ありがとう」
「銀時…一緒に外回りしようぜ」
「おぅ」
二人は、カンカンと階段を降り、三人とは逆方向に足を運ばせたのだった。
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