記念リクエスト

□ゆっくりと…
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野原・学校の花壇に咲いているあの花をあいつに渡そうか、と何度思っただろう。
指で数えてしまいそうだ。





「渡せば…アンタは気がついてくれやすか?
俺の気持ちに…」













†ゆっくりと…†












沖田と高杉は幼い頃から仲がよく、小・中・高同じ学校だ。中学は、よく悪い事をしていた。
軽くカツアゲしたり壁に落書きするという悪戯をしたり、いろんな事をしていた。それが二人の遊びだったのだ。しかし、高校になって二人ともそんな遊びがみっともない、と気がつきやめたのだった。




「晋助、おはよ〜ごぜぇます」

「よぉ総悟、はよ」




今日も可愛いでぃ。天使と言っても良いだろうwwおっと、俺のキャラが崩壊するところだったでさぁ。




只今、青春真っ盛りな沖田は男の中で美男子で女子よりも可愛い高杉に惚れている。
小柄で片目を眼帯で隠していた。だが、高杉本人は沖田の気持ちに気付いていない。




「晋ちゃん、おはよ」

「よお銀時、はよ」

「総一郎くんもおはよ〜」

「旦那今日も元気ですねぃ」

「あたぼーよ」




予鈴がなるとそれぞれの席へと座る。沖田は運悪く高杉と別れてしまった。それに、高杉の隣りには、銀時がいる。坂田銀時は、高校に入って友達となった。だが、今の沖田には嫉妬してしまう。




なんでぃ…旦那の奴。
あんなに晋助に寄りやがって。そいつは、俺のモンとは言えないけど俺のモンでぃ!!!
気安く触っていい人じゃありやせん。




矛盾しているが沖田は、高杉を毎日気にかけてしまうのだ。高杉は、ああみえて男女からモテているのだ。ただ、本人が鈍感なだけである。




「以上だー。今日も一日頑張れよ」

「きりーつ、礼」




したッと言えば教師の服部は教室を出て行った。沖田は、窓側の席である。頬杖をつき、窓から下にある花壇を見つめていた。花壇には、赤い色とピンクの色、その他諸々の色した花が風によってユラユラ揺れていた。沖田は、ある花一種だけを見つめていた。




「総悟」

「どうかしやしたか、晋助??」

「生物だから行こーぜ」

「そうでしたねぃ。行きやしょうか」



沖田と高杉は、教科書とノートを持ち移動する。今日の授業は、何故か花の種類を教えられた。黒板に書かれている花をノートに映していく。高杉は、眉間に皺を寄せながら書いていく。高杉が授業受けるのは珍しい事だ。斜め後ろに座っている沖田は、又しても外の景色を見ている。




総悟の奴、また外見てらァ。
今日のあいつ、ちょっと変だな…。やけに、ソワソワしているというか、なんというか…。




高杉は、時々沖田に目をやりながらも黒板に書かれた文字をノートに映していった。興味があった授業だったため高杉は、集中して受けていた。




「(だめだ…)」




頭が晋助の事で一杯だ。離れた事がねぇや。
四六時中、晋助の事考えてる…。
もっと晋助の事が知りたい。
もっと晋助に触りたい。




沖田は、頭を抱え斜め前にいる高杉の後ろ姿を見つめた。沖田は、どうしたら、自分に振り向いてくれるだろうか。と思い詰める。そうこうしている内に、あっという間に放課後。




「はぁ…」

「どうした、総悟??お前が溜め息つくなんてらしくないぞ」

「近藤さん、俺ぁもうダメでさぁ」

「いきなりどうした」




掃除時間。沖田は朝見た花壇の側の掃除当番だ。花壇の側にしゃがみ込み、赤とピンクの色の小さな花をツンツンとつついていた。




「離れろ、銀時。暑苦しいって!!」

「んな事言っちゃってぇww嬉しいくせに」

「どこをどう見ればそう思えんだよ!??」




掃除当番ではない、銀時と高杉は鞄を持ち下校をしていた。ふざけて笑い合う二人を見た沖田は、目を見開き。呆気に見とれていた。
気付いた時には、片手に見とれていた花を持ち高杉に近寄っていた。こちらに近付いてくる沖田に二人は気がつき立ち止まる。




「……総悟??」

「……」

「…え??」




無言で渡された花は、綺麗であった。高杉は、差し出してくる沖田を見、黙って受け取る。




「俺ぁ、敢えて晋助への想いは言わない。仲を壊したくもないですからねぃ」

「総、悟??」

「でも、他の男といられちゃあ気が動転してしまいまさぁ」




苦笑いを浮かべる沖田に高杉は首を傾げた。なぜ、そんな悲しい顔をするのか理解不能であった。そのまま、沖田は玄関へ行きスリッパに履き替えると教室へ戻っていってしまった。




「どうしたんだ…総悟の奴」

「晋助、それベゴニアじゃん」

「ベゴニア??………ぁ」




どっかで聞いた覚えがあると思えば今日の生物の授業で黒板に書かれていた気がした高杉は、鞄からノートを取り出す。銀時は、首を傾げ覗いた。今日授業したのは花言葉だったのだ。ベゴニアを見つけると目を見開く。





【ベゴニア…片思い】





「片、思い??……ッ」

「…行って来いよ、晋ちゃん」

「え…、」

「沖田くんが好きなんでしょ??」

「…な、なッ!!?///」




高杉は、顔を真っ赤にさせ銀時を見上げた。銀時は、ニヤニヤ笑い高杉を見下ろしていた。すると、銀時は高杉の頭を撫でた。




「沖田、片思いだと思ってるぞ。早く行って想い伝えてこい」

「……銀時」




ニコッと笑う銀時に頷き沖田の所へ足を運ばせる。一人で帰ろうとする銀時を止め三人で帰るんだから待ってろと言われ銀時は苦笑し頷いた。クラスに着くと、沖田が帰る支度をしていた。




「総悟…」

「……晋助」

「俺も片思いだと思ってた。 だけど、違った」

「??」






「好きだぜ、総悟」






沖田は瞳を揺らして高杉にそっと軽いキスをし、抱き締めた。高杉も目を閉じ背中に腕を回す。






やっと、触れられた。
晋助の事をもっと知って行きたい。
ゆっくり…ゆっくりと…。








(銀時が待ってる、帰ろ)

(そうですねぃ。帰りやしょう)






*fin*
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ツバキ様、お待たせしました!!
沖高でしたが、すみません;;(汗)
沖田の口調は難しくて、沖田らしくないと思いますでしょうが、私なりに頑張りましたのでお許し下さい;;(泣)
話も、わやくちゃですが少しでも気に入っていただければ嬉しいですww
リクエストありがとうございました!!


1.29 冬夜

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