記念リクエスト

□その日の空は晴れていた
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「……此所、か??」

「そうだ。デカいでござろう」

「…あぁ」




先を歩く万斉について行き、受付まで行く。
見た目で高そうで銀時は、万斉に大丈夫なのかと問うと万斉はニヤリと笑った。その笑みは拙者を誰だと思ってるとでも言いたげだ。




さすが…人気アイドル寺門通のプロデューサー。金がガッポリ入ってくる訳だ。
つんぽ、万歳!!!




「坂田様ですね。お待ちしておりました。では、案内します」

「拙者は、また迎えにくる」

「あぁ…頼む」




万斉と別れ銀時は店員の後ろをついていく。
銀時は、今更緊張していた。さっきまでは全くしていなかったものの、やはり近付くにつれ緊張はやって来たのだ。最上階まで案内される間店員に質問される為、質問の多い奴だと銀時は思っていた。




「坂田様も、さぞかし疲れておらっしゃる様で目の下に隈があるじゃないですか。弁護士も仕事大変ですね」

「え…俺そうゆう設定??」

「……え??」

「いえ、何も。…そうなんですよ〜」




自分の嘘の仕事が弁護士と初めて知った銀時であった。すでに万斉が仕組んでいたのだろう。気のきく奴なのです万斉くんは。




「此所です。では、ごゆっくり」

「おぅ」




案内を終えた天人の店員は、受付に戻っていった。その後ろ姿がなくなったら、目の前のドアを見つめた。この奥にNo.1の人がいる。




どんな人なんだろうな。
うわ…緊張する。




おそるおそる取っ手に手をやり、ガチャリッと開け部屋に入った。部屋に入るなり、良い香りが鼻につく。部屋は豪華で、きっとNo.1の人でしか豪華じゃないのだ、と見た感じで分かった。




「…お待ちしておりました、坂田様」

「―……」




ベッドの上で正座をし、銀時に礼をした。
黒髪に紫が混じり、左目を眼帯で隠し、その眼帯を隠す長い前髪には薄赤のピンを二本していた。着物も、紫と赤で綺麗な薔薇がちらほらと描かれている。睫毛も長く、綺麗な肌をしており、唇はプルンとしているように見える。そして、耳の上には簪がキラキラ光っている。




「…お近くにどうぞ」

「…あぁ」




銀時は、その者の隣りに腰を下ろす。
彼女は瞳を閉じて、銀時の肩に身を捧げた。そして、手を繋いだのだった。銀時は、目を丸くさせ彼女を見つめる。




「積極的なんだ…」

「貴方こそ…目の色変わった。…自己紹介遅れました。高杉晋助と言います」

「…………え??」




高杉という者の顔を見ると、ニッコリと微笑んでいた。そして、自分は男だと告げたのだった。勿論、銀時は驚きを隠せないでいる。
どう見ても、男に見えないからだ。真っ白な肌に小柄…女性にしか見えない。
高杉の話によると、此所の遊郭は男も女も入れるのだという。その者たちの中から高杉はNo.1となったのだ。




男…だったのかよ!!!?
女かと……河上の野郎、黙ってやがったな。
あ、なんか騙されてやんのって感じに笑ってる顔が浮かんだ。帰ったら殴ってやる。




高杉は立ち上がり、銀時から離れた。振り向き碧の瞳に銀時を映す。フッと笑い口を開いた。




「坂田様は、弁護士なのに刀に慣れてるんですね……攘夷浪士、坂田銀時様」

「……」




銀時は、高杉をグイッと引っ張りベッドに押し倒した。ギシッとベッドが唸る。沈黙間が続いてるが、高杉は未だ微笑んでいる。銀時は、眼鏡を外してそこら辺に放り投げると高杉を見る。




「何で分かった??」

「手繋いだ時に刀ダコがあったのと、似てたから。周りが騙されても俺は分かりますよ」

「あっそ、おめぇも慣れねぇ口癖も止めれば」

「あれ??…分かってたのか」

「片言すぎんだよ。他の奴にバレなくても俺なら分かる」




あぁ…その目、良い。
テレビなんかで見るよりゾクゾクする。
赤い漆黒に染まった瞳。




そう、高杉は銀時に惚れていた。初めて銀時を見たのはテレビでの事。最初は、どうでも良かったのだが銀時の瞳を見て釘付けになってしまったのだ。そしてもう一つ、こいつなら、ホントに世界を潰すかもしれない…、そう思ったのだった。理由など分からない。ただ、そう思っただけなのだ。




「……俺を抱いちゃあくれねぇのか??」

「何言ってんだ……今から嫌っつー程ヤってやるよ。遠慮なく喘げよ??」

「…へぇ、楽しみだな」




高杉は、銀時の首に腕を回すと体を軽く起し、チロリと銀時の唇を舐めた。一瞬固まった銀時だったが、高杉の頭を引き寄せかぶりつくようにキスをした。甘く洩れる吐息に少し興奮しながらキスを深めていったのだった。




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