記念リクエスト

□願う
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「や…だッ……んぁッ!」

「ほぉ…何だかんだ言いながらココ、既に濡れてるじゃねぇか」

「ぃ、わ…ない、でッ!…ッひぁ」




いやいや、と首を振る晋助に高杉は容赦なく陰茎を握り締めた。電流が流れたかのような刺激に襲われ、晋助はビクリッと全身を震わせたのだった。
高杉は、そんな晋助を見て良い事が思い付いたのか喉で笑った。己の片目を隠している包帯に手を伸し解いていく。
晋助は、その様子を畳に映る影で見て、高杉本人を見ようと振り向いた時に視界に映ったのは白であった。
だが、やがて真っ暗になり何も見えなくなってしまったのだった。




「……なっ!」

「どうだ、何も見えねぇだろ?見えねぇ方が楽しそうだろ」

「…やめ…外、せ!……っくぁ!」

「クク…いつまで耐えれる?」




そう、晋助は高杉の包帯で両目を隠されてしまったのだ。何も見えない今、晋助には恐怖しかない…。
すると、高杉の指がいきなり後腔に入り込み、晋助は大きく跳ねる。視界が真っ暗なせいか、いつもより感じる気がしていた。




「ぅ、あ!抜、けッ…」

「気持ち良いんだろ?なんで遠慮すんだぁ?もっと喘げよ…」

「んぁッ!そ、こは…ッぁあ、ぁあ」

「クク…俺ぁこんな声で喘いでたのかぁ?こいつぁ、傑作だな」




今まで、己がどんな声で喘いでいたのかを知った高杉は口元を吊り上げた。
過去の自分を犯していると言うのに、高杉はその喘ぎ声に少し興奮したのだった。
すると、向こうから足音が聞こえてきた。どうやら誰かが此所にやって来るのだろう。
晋助は、その足音に気付き顔色を悪くさせた。目隠しをしているとはいえ、こんな状況の中誰かに入って来られたら、誰だって顔色を悪くさせるだろう。




「高杉ぃ〜、糞モジャが夜遅いってのに今から飲むってよー、だから行こうぜ」

「(―…銀時!!)」




襖の向こうに銀時がいる、助けを求めたい。だけど、こんな姿を見られたくない。




最悪な事に、その相手は銀時であった。
いつまでも返ってこない返事に、銀時は襖に手をかけた。高杉〜、入っぞ?っと銀時が言った。




嫌だ!!!
銀時、入って来ないでっ!!



「入んな…天パァ」




声がし、銀時は襖を開ける手を止めた。口を開いたのは、晋助ではなく…高杉であった。




「今、何時だと思ってんだよ?俺ぁ、そろそろ寝んだよ」

「えー、晋ちゃん。寝ちゃうの?!マジで愛を育まない気ですかコノヤロー!」

「気が向いたら部屋覗くから向こう行ってろ」

「話逸したぁあ!銀さんショックー!…はぁ、分かったよ。たく、晋ちゃんには敵わないなぁ。じゃな…」

「あぁ…」




襖越しでの会話。銀時なら何も感じないだろう。まさか、未来の高杉と喋っているなんて思いもしない。
足音が遠のいて行き銀時の気配がなくなる。
高杉が、銀時に入るな、と言ってくれた事にびっくりしていた晋助だったがいきなりの刺激に声をあげた。




「勘違いすんなよ。邪魔されたくなかったんでな……続きだ」

「あっ!…っく、ふぅッ…ッ」

「………挿れるぞ」

「…待っ…ッひ、ぁあぁあぁ!!」




ヌプンッと後腔から指を出し高杉は、まだあまり解かされていない晋助の後腔に陰茎を遠慮なく入れたのだった。




「ッあ、いた…ぃッ…ゃめ……ひッ!」

「痛い方が好き、だろ」

「違ッ、ぁああ!…ッぅ、あ」

「クク…声控えねぇと銀時たちに聞こえちまうぜ?」

「―……ッッ!」




晋助は、ハッとし下唇を噛んだ。
視界が閉ざされている分、晋助はそれを補うように他の感覚が鋭くなっているのか耳がいつもよりも音を拾いあげる。
狭い部屋にはひどく不似合いな水音、相手と自分の乱れた息の音。自分が望んだわけでもないそれが、鼓膜までも犯す。




ち、くしょ…ッ!
何で…こんな目に遭わなきゃならないんだ!





せめて自分の呼吸音ぐらい消せないものか、と晋助は強く唇を噛み締めた。
けれどそんな努力も虚しく、体の奥深くまで突き入れられると唇は簡単に開いて喘ぐ声を漏らす。




「ひゃ、あッ!……う、っ」

「クク、別に出しても良いんだぜ?聞かせてやれよ…お前の喘ぎ声をよ…」

「……ぁッ」




自分でも予想しなかったほど高い声が零れ、晋助は焦ってすぐに唇を閉じた。
奥歯を噛み締めて声を殺すが、そんな努力を嘲笑うかのように高杉は、指が食い込むほど強く腰を掴み揺さぶったのだった。




「ひぁっ、…ァッ」

「く…男、とヤるのが、こんなに気持ち良いとは…な」

「んぁ、あ…ッ」




唯一自由を許されている口ですら、背後で蹂躙する相手の思い通りに動かされているかのように晋助は思ったのだった。
まるで、末端神経一つに至るまで支配されているような感覚。
後ろ手に縛られ、うつ伏せで腰だけ高く上げさせられて犯されているせいで、逃げることすら晋助には許されなかった。
思うように出来ない歯痒さにギリギリと奥歯を噛み締め、額を畳に擦り付けたのだった。




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