短編

□それだけで…
1ページ/1ページ





ピンポーン…。
ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン。
ピンポー…




「うるせぇえええええぇぇっ!!!家賃払う金があったらこっちから行ってるっつーんだよ、腐れババアァアッ!!」




銀時の足に手応えがあった。
銀時がいう「腐れババア」とは下の階にいるスナック屋を営む大家のお登勢である。お登勢がまた、家賃を払え。と言うために来たのだと思った銀時はインターホンが鳴っても無視っていたのだが、何度も鳴らされては我慢の限界だ。
いつもドアごと蹴りを入れてやるが、当たった試しがなく逆に殴り殺されてしまう。だが、今回は初めて当たったのだ。アレ?っと思った時には血の気が引くのを感じたのだった。




「………ぃてぇなぁ」

「……しし、晋ちゃん」




そこには、恋人の高杉晋助がいた。
彼は今日銀時と会う約束でやって来たというのに、銀時の蹴りをまともに食らってしまったのだった。インターホンを何となく連弾しただけなのにまさかのオチであった。
何ともいえない笑みと背中から醸し出すドス黒いオーラが怖いからか、ガチガチと銀時は震えていた。










†それだけで…†










「………ごめ、んなひゃい」

「ちっ…仕方ねぇから許してやるよ」




高杉によってボロボロとなった銀時は高杉に土下座して謝った。それを見た高杉はソファを占領し、ムスッとしたまま答えた。許されたとしても罪悪感を感じた銀時はオロオロとし、高杉は、やれやれ。と肩を竦めて笑った。
高杉自身は本当に許しているのだが、銀時が面白くてたまらない。愛しくて恋しい…かけがえのない存在。




「銀時…」

「……は、い」

「いつまで変な仕草してんだよ。お前らしくなくて調子狂うだろうが」




そう言い、笑みを銀時に見せると銀時はパアァッと笑顔になり、頷いた。銀時を動物に例えると犬だろうなぁ、なんて事を高杉は思っていた。
高杉は片手で銀時を呼ぶように招くと疑問符を浮かべながらも近寄ってくる。隣に座るように指示をし、銀時は高杉の隣に腰を降ろしたのだった。すると、高杉は銀時の肩に頭をのせた。
滅多にそんな事をしないため、銀時は目を丸くさせたが、目を細めて愛しそうに高杉を見たのだった。




「銀時…」

「ん?」

「俺…お前に会えて、お前を好きになれて、すっげぇ幸せだと感じる」

「―……俺もだよ、晋助」

「…これからも、よろしくな」

「こちらこそ♪」




銀時は高杉の鼻先にキスをする。
高杉も銀時にキスをする。勿論、唇に。
今日は9月10日。銀時と高杉が付き合い始めた記念日であり、銀時と高杉の誕生日を半分にした日であるのだ。だから、高杉は会いに来た。だから、会う約束をした。
そんな日は恋人と一緒にいたいのは当たり前の事だろう。銀時は高杉を抱き寄せると力を混める。高杉もそれを応えるかのように背中に腕を回して力を混める。ただ一緒にいるだけで幸せな二人であった。




「銀時…好きだ」

「銀さんも晋ちゃん大っ好きだよ」

「クク…知ってるっての」

「晋ちゃん…キスしていい?」




聞く必要ないだろ。と笑って言う高杉に、そうだね。と笑って答えた銀時は高杉に口付けた。だんだんと深いキスとなり、離れると二人を銀色の糸が引いてプツリと切れた。
ほんとに大好きな気持ちをどう現せば良いだろうか?と思うほどであった。




「…晋ちゃん、外に出てみない?」

「なんだ?甘いモンでも食べにいくのか?」

「別にそんなんじゃねぇよ。ただ外に出ようかと…止めとく?」

「…行く」




たまには…良いか。
そんな日があっても…。
俺はお前が…銀時がいれば良い。
お前も…そうだろ?




「じゃ、行こうか♪」

「あぁ…」




先に立ち上がった銀時は高杉に手を差しのべる。
それに、高杉は手をとり立ち上がる。
ぎゅっと握ったまま、二人は外に出ていったのだった。




なぁ…銀時。
お前の事、心から愛してる。
だから、この手を離さないで。






お前となら何処へでも行く。
お前がいるなら…それで十分だ。






↓駄作です(笑)



*fin*
----------------
うがぁあ!
やはり間に合わなかったか!
色々忙しくてあまり良い作品になりませんでした!
あ!…いつものことでしたね♪(爆)

真ん中Birthdayということだったんですが、どうでしたか?
楽しんで頂けたら嬉しいです☆


9.11 冬夜

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ