短編

□ギリギリHero
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最近気になる事がある…
それは、学校の帰りの事だ…。
後から足跡が聞こえるんだ…。

いや、分かってんだ…。
勘違いだと…。
俺は男だ。女じゃない。
そう…Manだ…。

なのに何故…後から足音が聞こえてくるのだろう…。
これ…何つーんだっけ??
走れば、走ってくるし…、
止まれば、止まるし…。


あ〜、アレだ。アレ…。
そうそう…、



ストーカーだぁぁぁ!!!!


†ギリギリHero†


『高杉 晋助 18歳。
初めて男にストーカーされました…。』


ホント意味分からねぇぇ!!!
まぢで…。
絶対ェそいつ目腐ってやがる…。
俺ぁ男だっつーんだよ…おかげで気色悪くて、一人で帰るの嫌になってきたじゃねぇかよ!!
……てかよ。
なに…この張り紙…。
こんな事するのはあいつしかいねぇ…。


「総悟ォォォォォォォ!!」


あの、ドSがぁぁ!!!!
相談した俺が馬鹿だったぁぁぁッッ!!!!
血祭りにしてやるッッ!!
絶対ェ、殴るッッ!!!


そう思いながら、張り紙を剥がしZ組の教室へ…。
もうすぐ教室だというのに曲がり角から人影が見えたが急には止まれず…


―ドンッッ



「いってぇ…」



自業自得か…。
尻もちついたせいで…
かなり痛い…。



「大丈夫ですか??」

「ぁ…あぁ。
すみませんでし……え」

「起きれますか??」


…と言って手を差し出してきた男―…。


「銀…八??」

「銀八??あぁ、弟の事ね。」

「はぁ!!?」

「はい、高杉遅刻ね。」


聞き覚えのある声がした。
その方向を見れば―…、
いつもと変わらない奴が立っていた…。


「銀八…??
え、じゃあ…銀八の兄??」

「そう♪♪
弁護士の銀時です。
じゃあね、高杉くん♪」

「(弁護士!!!?)」


唖然としながら、スーツをしっかり着た奴が居なくなるまで見ていた…。
どうりで、銀八と何処か違う訳だ…。
……目と顔と頭は同じだが、頭の中身が違う。



「銀八…お前の兄貴……。
すっげー似てんだな…。
何しに来たんだ??」

「ん??特に用はねぇよ。
にしても、毎日大変そうだな♪」

「なにが??」


すると、眼鏡を上げて笑いやがった…。


「ストーカーにあってんだってな♪高杉くんww
張り紙…見たよ…」

「なっ!!!」

「きゃ〜、顔真っ赤〜ww」

「死ね!!!この腐れ教師がぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!」


最悪だ…。
何が最悪だって!!?
それは、3Zの全員に知られてるからだよ…。
俺…生きていけねぇや。


「晋助、お前そいつに何か恨みでも持たれてんじゃねぇの??」

と、トシ…。

「高杉!!何故その事を、お母さんに言わないのだ!!
お母さん、そんな子に育てた覚えありません!!」

と、ヅラ…。

「晋助、そいつそのうち諦めやすから辛抱しなせぇ」

と、反省の色がない総悟。

「杉ぃ、元気だすアル。
酢昆布あげるから…」

と、チャイナ…。

「高杉くん、そんなに悩むとハゲますよ」

と、志村姉…。



なんだ…こいつ等。
慰めてるつもりなのだろうか…。
ほとんどの奴は笑ってるじゃねぇか…。
何か、すっげぇイラつく。
俺の気持ちなんて知らねぇくせに…。
一番嫌な思いしてるのは俺なのによッ…。


「…うるせぇな。
俺だって、好きでやられてる訳じゃねぇんだよ。」

と、言い教室を出ていった。
志村弟の引き止める声がしたが、今は教室にいたくない…。


……あそこに行くか。


――
―――
―――――


―ガチャ


ドアを開けると、そこは空一面に広がっていた。

「此処の景色は、ホントに良くて落ち着く…」


高1からずっと使っている…屋上。
この場で煙草を一服するのが好きだ…。


「……あいつ等、人の気も知らねぇでグチグチ言いやがって…ムカつく。」

「何でぇ??」

「そりゃ、俺が―…ぁ??」


待て…。
今、俺…一人だよな…??
誰と話してんだよッ??


「授業受けないといけないでしょうが、高杉くん」

「銀…八。じゃなくて…
銀八の兄貴…」

「銀時でいいよvV」

「何でいんだよ…」

「ん…探検みたいな??」

「餓鬼か…」



呆れる…。
ホントにこいつ…弁護士なのか…。
いや、弁護士バッチを付けているからそうなのだろう…。
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