短編

□リアル鬼ごっこ!?
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「あぁあぁぁアァぁぁあぁ!!」


今…必死に逃げているのは
テロリスト…高杉晋助、俺だ。
いや、逃げるつーか追われるのはしょうがない。
いや分かってんだけどよ。
追われるのは真選組だ。
幕府の狗のはずなんだ。
なのに何で…



「晋助ー待つでござるぅ!」

「晋助様ぁ待つっすー」



仲間に追われてんだ!?




†リアル鬼ごっこ!?†




数分前作戦を考えていた俺達だが武市の奴が変な事を言ったのが始まりだった…。


「高杉さんって女性の服似合ってますよね…。」

「今更何言ってんすか。
晋助様は何でも似合ってるっす!!」

「いやぁ…高杉さんがメイド姿で"お帰りなさいませご主人様"って言ったら萌えますよね…。」

「何言ってやがる…。
俺ぁそんなモン着ねぇ」

「「……。」」

「な…なんだよ」



前に座っていた万斉と来島が俺をジーッと見つめている。



「…試す価値あるっす」

「そうでござるな」

「は…ちょっ…」



二人がゆらりと立ち上がり準備運動をし始めた。
身の危険を感じた俺も立ち上がり片手に刀を持ち襖を勢い良く開けた。
その瞬間だった…。



「来島殿全力で行くでござるよ!晋助はこうみえてしぶとい!!」

「分かったっす!!」

「ちょ…来るなぁぁ!!!」




そして今至る。
汗だくでおまけに体力が無くなっていく。



ヤバい…このままじゃやべぇ事になる。
絶対ぇ恥で死ねる。
にしても…諦めが悪ぃ奴等だな…。



「御用改めである!!神妙しろ
テロリスト!」

「…なっ」

「む、真選組の土方十四郎と
沖田総悟」

「鬼兵隊がわざわざ江戸に足を運んでくれるとはな。
一緒に来て貰おうか?」

「主等、攘夷浪士で最も危険な男…高杉晋助のメイド姿見たいと思わないでござるか??」

「万斉!!てめぇいい加減にしねぇとその頭ぶった斬るぞ!
おい、鬼の副長さんよぉこいつ連れて言ってもいいぜ」



こいつ等が俺のそんな姿見たいと思う訳ねぇだろ…。
仕事を一番に考えるはずだ。
万斉連れてって貰い帰ろう。


「……え」



気付いたら敵である筈の真選組と鬼兵隊の万斉と来島が話ている。
輪になって何かを話しているか分からないが…嫌な予感はする。
途端に一斉に振り向いた。



「第十回高杉をメイド姿にしちゃおう大会ぃぃぃ!!!」

「いや、そんなにやった事ねぇから!!一度もねぇから!」

「それだけじゃ楽しくないから捕まえた奴だけに"お帰りなさいませご主人様"と言ってもらう事にした」

「なら敵でござるな。
本気で行くでござるよ!!」

「望むところっす!」




て…敵が増えたぁぁぁ!!!
おい、これありか??
ありなのか!!?
敵の二人が万斉達の仲間に入りやがったぁぁぁ!!!




「覚悟でさぁ、高杉さん」

「誰があいつからあんな言葉が聞けるか楽しみだぜ」




再び始まった俺の生か死かの追いかけっこ。
しかも敵は2人から4人だ。
逃げれるか不安だ。
いや!!逃げ切ってやる!



いや、無理かも…。



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