短編

□愛しのバカ杉くん
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チャース、チャッチャチャース!!
万事屋 坂田銀時でーす。



…おい!!誰だ!!今…うわー何こいつ、超キモいんですけどぉって思った奴!!!
世間にはな、こうやって頑張って馬鹿になっている芸能人がいるもんなんだよ!!
銀さんも、それ以上に頑張ってんだよコノヤロー!!!
主人公として晋ちゃんのダーリンとして頑張ってんの!!




でも…今すっげーヘコんでる訳よ。




「晋助!!私とトランプで勝負アルヨ」

「クク、上等じゃねぇか。夜兎族さんよぉ」




晋ちゃんが俺の相手してくれねぇの…。
何でだぁぁぁぁぁ!!!!





†愛しのバカ杉くん†





「なぁなぁ、高杉ぃ。
銀さんの相手もしてよー。
悲しいじゃんかよー!!」

「おめーは、ジャンプでも読んどけよ。まだ読んでねぇんだろ?」

「そうだけどよぉ」

「なら、読んだ後にしろ。」





冷たい…。
高杉がごっさ冷たい。
こんなんじゃ読む気になんてなれねぇよ。





「銀ちゃん、そんな事いうぐらいならお茶でも淹れるネ!」

「意味分からないんですけど!!」

「喉か湧いた」

「…分かりましたよ!」




銀時は高杉の為だと心の中で思いながら台所に立ちお茶を淹れる。
数分前は、相手をして貰っていた銀時だったが神楽が帰って来た突然、神楽に奪われてしまった。
高杉ときたら全く気にしないで神楽の相手をしている。



なんか、イラつく。
月に何回しか会えないのにパシりかよ…。
神楽も空気読めよなぁ…。
KYですか!!?
つか、餓鬼に嫉妬してる俺ってどうよ…?
単なる遊びだろ…高杉が銀さんを嫌った訳じゃないさ。
うん!!そうに違いない!!



「茶ァ、淹れたぞ」

「さんきゅ…銀時」

「銀ちゃん銀ちゃん!!
私決めたアル!!!」

「あー、何をだ…?」




銀時は高杉の隣に座り、真っ正面のソファに座っている神楽を見た。
何故か目をキラキラさせていて銀時は、疑問を持ちながらお茶を口に含んでいった。



「私、晋助を将来の夫に迎えるアル!!」

「ブッッッッ!!!!?」




思ってもいない言葉が神楽から出て来た為銀時は、お茶を上に噴出し、そのまま噎せる。




「ゲホ、ゴホ!!
かーかかか神楽ちゃん!!?
なーに言ってんのかな!!?」

「だから、私晋助の嫁に行くヨ!!」

「クク…銀時、こいつ面白ぇな。」

「笑い事じゃ…「晋助!!次は何するあるカ?」




銀時の声は神楽の声によって儚く消え失せた。



「………」



とうとう銀時はふてくされてしまった。
高杉に相手にされないうえ、神楽にまであんな事を言われたにも関わらず高杉は否定すらしなかった。




もー、知らね!!
高杉から話してくれるまで俺絶対ぇ話さねぇからな!!絶対だからな!!!
たく、どんな放置プレイだよ!あー腹立つ!!!
もう、ジャンプでも読も!!
ギンタマン微妙に続きが気になってたしッ!!




あれから何分間か経っても相変わらず騒いでいる二人。
銀時は、黙々とジャンプを見てはめくり、見てはめくりの繰り返し。
そんな中、玄関の開く音がし姉に呼ばれて道場に戻っていった新八が入って来た。



「只今戻りました。あ…高杉さんこんばんは」

「お邪魔してるぜ」




銀時は、また五月蠅くなると心の中で呟き台所へ向かった。




ジャンプ読み終わっちまったなぁ。
高杉も喋る気なさそうだし…銀さん特製ケーキでも作るか。
イライラする時ぁ、糖分取るに限る!!



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